2017年春、受験勉強の長男
先週まで寒かったし、風も強くて、春はまだ浅い感じでしたが、今週になってやっと暖かくなってきました。(^◇^)
外は春です。でも、春はやることも多いです。
思えば、私の父の入院、長男の大学受験、高校卒業と、この冬から春にかけて駆け抜けたような感じがします。幸い父は回復し、経過も順調で元気です。長男は、がんばったのですが、志望大学に合格出来ず、浪人を決めました。山形県内には大手の予備校が1校もないので、どうしようかと思ったのですが、本人や高校の先生とも話し合い、スタディサプリと進研ゼミを使って自宅で受験勉強することにしました。そういう時代なんですね。
私の頃(1980年代)だと、山形県出身者が浪人しようと思ったら、仙台に出るか東京に出るかの選択みたいな感じでしたが、時代は変わりました。
長男は私とはだいぶ性格が違います。私は小説やルポルタージュなどを読むのが好きですが、長男が読むのはもっぱら『数学ガール』シリーズや、私が見てもよく解らない数学書の数々。「たまには小説でも読んでみたら」と言ったら、読みだしたのが『博士の愛した数式』です。はぁ。
「僕は数学が好きだから、数学の問いは、本当は一つひとつ丁寧に証明したい」と言っています。証明を省略し、こういう問いにはこう答えると暗記するのはつまらないようです。私は、「しかたないよ。受験勉強ってそういうものだから。一つひとつ時間をかけて考えていたら時間切れになっちゃうよ。好きな勉強は大学に入ってからやるんだな」と言ってます。
小さいときから徹底的に受験勉強させられたら、とことん考えることよりそつなくこなすことを優先する人間、すぐに答えが出ない問題は後回しにする人間が増えそうです。いや、実際に増えているように思います。現代社会のゆがみの一つは、この受験勉強的な思考回路が他の分野にも及んでいることのように思えます。現代社会は、政治も含めてずいぶん劣化したと思いますが、「受験勉強的な思考回路が他の分野にも及んでいること」や「利潤追求を第一とする発想が一般の人たちにも浸透してきたこと」の悪影響も大きいのでしょう。
基礎学力を身に着けること自体を否定するつもりはありません。でも、それも程度問題です。限られた時間で効率よく「こう問われたらこう答える」式の受験勉強をするのが真の勉強でないことは知っておくべきです。今の世の中、何でも競争、何でも効率化、数値化で、いろいろな面で行き過ぎを感じます。
さて、長男はどんな道に進むのか。数学大好きで、めっぽう計算に強い長男です。私はかないません。昔なら、計算に強ければそれを活かす仕事がいろいろあったのですが、今はどうでしょう。本人は、工業系より数学そのものを学びたいと言ってます。それを活かすとすれば数学の教師とか、塾の講師とか、コンピュータのソフトウェアを作る仕事とか、あとは、あまり思いつきませんが、何か本人に探してもらうしかないでしょう。
数学は、長男にはとてもかなわないので、私が教えられるのは英語と国語の現代文くらいです。古典、漢文、社会科は妻の担当です。
長男が高校を目ざして受験勉強中に、励ましのメッセージを送ったのがつい先日のことのように思えます。その長男が今度は大学受験。時の流れははやいものです。
http://yamazato.ic-blog.jp/home/2014/03/post-9971.html
http://yamazato.ic-blog.jp/home/2014/03/post-bba2.html
(伊藤一滴)
コメント