田舎暮らし・1年分の味噌づくり
今年も寒中に味噌を仕込みました。
味噌の作り方はいろいろあるようですが、我が家の味噌の作り方を紹介します。
我が家の1年分、約24㎏の味噌づくりです。
(もっと少量でいい場合は比率で加減してください。)
用意するもの
材料
大豆 4升
麹 8升
塩 2.8㎏と、ふた塩に少し(どちらも天日塩だとさらによい)
あれば去年の味噌
大豆1升は、1.3~1.5㎏くらいです
麹は乾燥度合いによって重さがかなり違うので一概には言えませんが、うちで用意したものは1升あたり1.2㎏くらいでした。麹屋さんで1升単位で売ってます。
道具
豆を浸す容器、大鍋または大釜、竈(かまど)、大ざる、味噌切り器、たらい、味噌だるまたは大がめ
作り方
大豆は薄皮を破らない程度によく水洗いし、大豆の体積の3倍以上の水に一晩浸しておく。
翌日、水を換え、竈にかけて水から煮る。
強火で沸騰させ、沸騰後は弱火にし、アクを取ったり、混ぜたり、水を足したりしながら半日くらい煮る。薄皮が分離して浮いてきても取る必要はない。
親指と小指に豆を挟んで、ぐにょっと潰れるまで煮る。豆がぱかっと2つに割れたらまだ固い。
私は昔の大鍋や大釜を使っているが、業務用の大鍋などで煮てもいいと思う。圧力なべを使う場合は、取扱説明書の注意書きに従い、何回も分けて煮る。豆はかなり膨らむので、取扱説明書厳守!
煮えた豆を冷まし大ざるで水を切る。煮汁も取っておく。
上記の豆を味噌切り器で潰す。ひき肉製造用のミンサーなどでも可。
麹をたらいに入れて手でほぐし、塩と混ぜる。潰した豆を加え、よく混ぜる。麹が乾燥が進んでいると固くてうまく混ざらない場合があるので、そのときは豆の煮汁を少し加えて混ぜる。(煮汁の上限は塩の重量の半分の重さと言う人もいるし、塩の重量程度と言う人もいる。私の場合は塩の重量の半分以下。)
混ぜたものを、空気を抜きながらおにぎりのように丸めてテニスボールくらいの玉にする。
熱湯で消毒した味噌だる(または味噌がめ)に、上記の玉を押し付け空気を抜きながら入れてゆく。
全部たる等に入れたら表面を押してならし、あれば去年の味噌で表面を覆ってふたのようにし、その上に塩を撒く。去年の味噌がなければそのまま塩を撒く。特にたるに接する部分は塩を濃くする。なるべくカビを少なくするためである。この、上に撒く塩のことをふた塩と言う。
そのあと、食品用のラップで覆う。ラップが普及する前は和紙を使ったりしたという。
ラップの上に熱湯消毒した押しぶたを乗せる。その上に漬物石を置く人もいる。
煮汁の残りはスープなどに使えるし、肥料にもできる。
仕込んだ味噌だるは、ふだん人が出入りする場所に置き、極端に寒い場所や暑い場所を避ける。麹の酵素による分解、菌による発酵を促すためである。
なべ、その他の道具は銅製品を避ける。銅の抗菌作用が菌の発酵を妨げる恐れがある。
暑い季節には時々見て、カビを除去し、表面を中に沈める。このときまた表面に塩を撒き、カビ防止にすることもある。ただし、やり過ぎるとしょっぱくなる。(酵母が増殖して表面が白く見えるのはカビではない。インターネットで「手作り味噌」等で検索すると、酵母とカビの区別の写真が見られる。)
表面に茶色い汁が浮いてくるが、これは、たまりであり、醤油のように使うことができる。たまりは旨味の濃い汁なので、取り過ぎない方がいいという。少し取ったら、あとは混ぜる。
夏の土用の頃に、大しゃもじなどで全体を混ぜる。
(私は比較的涼しい東北の山間部にいるので土用の頃にこの作業をしているが、暑い地域だと6月頃でもいいかと思う。)
秋、涼しくなった頃から、使える味噌になる。
以上。
とまあ、こんな感じですが、けっこう大がかりになります。
数年前に地元の方から作り方を習いました。近年は毎年やってるんですが、とてもおいしい味噌だと好評です。(手前味噌)
私は古民家暮らしをしており、昔の道具もあるんでこんな作業ができますが、町の中の一般家庭の台所だと、上記の4分の1くらいから始めた方がいいかと思います。
(伊藤一滴)
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