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『戦争は女の顔をしていない』

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著『戦争は女の顔をしていない』が漫画化され、出版されました。(小梅けいと作画、速水螺旋人監修  KADOKAWA刊)

読みたいのですが、売れに売れているようで、田舎に住む私は、紙の本を買えずにいます。天下のアマゾンでさえ、今、紙の本は在庫切れの状態です。

一部を無料で読めるサイトがあるので、紙の本を買うまでの間、少し読みたいと思い、パソコンの画面で見ていて、絶句・・・・。

凄まじい・・・・。

第二次大戦中のソビエト軍の女性たちに、こんなことがあったなんて・・・・。
それも、特殊な女性ではなく、普通の、若い女の子たちが・・・・。

原作の日本語訳が岩波書店から出ていたのですが、知りませんでした(※)。

第二次大戦中のソ連軍に女性の兵士がいたこと、中には軍用機の操縦士もいたことなど、一応、知ってはいました。ただ、一応知識として知っていたというだけで、その実態は何も知りませんでした。何も。

パソコンで漫画のお試し版を少し読んだだけですが、ガッツーンとくらったような衝撃です。

戦争は、ひどいものだ、ひどい、ひどい、ひどすぎる。
そんなひどい戦場に、純真であどけない若い女性たちがいる。不思議なことに、明るささえ感じられる。
死が隣り合わせの状況なのに、この不思議な明るさは何だろう?
彼女らは、もう、死線を越えていたのか。もう、死線をさまよう暗さを超越していたのか。
それとも、単に若くて、純粋で、女性の戦友たちと共に、まっすぐに、明るくふるまっていたのか。
その明るさが、かえって戦争のむごさを際立たせる。
小梅氏が描くかわいい女性たちの姿も、戦争のむごさを際立たせる。
戦争は、かわいらしいものとは正反対だ。


池上彰氏のコメントはこちら。
https://book.asahi.com/article/13069876

「ダ・ヴィンチニュース」の五十嵐大氏のわかりやすい書評が、こちら。
https://ddnavi.com/review/592741/a/

(伊藤一滴)


※岩波現代文庫から出てます。岩波は宣伝が下手なんですよ。カドカワは宣伝がうまい。

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