アーミッシュについて思うこと
低温続きで、「寒さの夏」になるのかと心配していたのですが、ようやく暑くなってきました。
自宅で、1980年代の映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」のDVDを観ました。
別に刑事ものとか、サスペンスやアクションが好きなわけではなくて、映画に出てくるアーミッシュの生活を見たかったのです。
アーミッシュについての詳しい解説はネットで読めるので(アーミッシュ 検索)、ごく簡単に説明します。
アーミッシュは、プロテスタントの中の絶対平和主義の一派で、アメリカやカナダに自分たちの集落をつくって生活しています。基本的には移民当時の18~19世紀の生活様式を守り、電気も自動車も電話も使わず、移動は馬車。農耕や牧畜などで自給自足的な生活を続けてきました。(最近はスマホを持つアーミッシュもいるそうで、少し変わってきたようですが。)
この映画は、アーミッシュを紹介するための作品ではありませんが、アーミッシュがかなり出てきます。
たまたま、アーミッシュの少年が、駅のトイレで殺人事件を目撃し、その少年と母親を守ろうとする刑事ジョン・ブックが、アーミッシュの村で助けられ、滞在する、という話です。
ジョン・ブックは、アーミッシュの服を着て、アーミッシュの人たちと生活し、共に牧畜や納屋の建設などの作業をする中で、彼らに好意を持つようになります。また、その少年の母親(未亡人)との、互いの恋愛感情なども出てきて、「刑事もの+恋愛もの」みたいな映画です。
ジョン・ブックは独身で、相手も夫と死別しているので、二人は別に不倫ではないのですが、この恋愛を成就させるには、自分が仕事をやめてアーミッシュに改宗して共同体の一員になるか、あるいは母と子を共同体の外に連れ出すか、どちらかをしないといけないわけで、どちらにしてもハードルが高いのです。
「アーミッシュの暮らしも悪くないなあ」と思いながら見てました。
大自然の中で、手作業の農耕と牧畜。
テレビもない、電話もない、雑音のない暮らし。
労働と、祈りと、聖書の学びの日々。
19世紀のアメリカのようでもありますが、銃はもちろん、武器がありません。
絶対平和主義のアーミッシュは、戦わないのです。殴られても殴り返しません。
みんな同じような服装で、一目でアーミッシュとわかります。「今日は何を着ようか」なんて、悩まなくていいのです。
修道院みたいです。修道院と違うのは、結婚して家庭を持てるという点です。
配偶者がいて子どももいる修道生活みたいな暮らし。
それも悪くないなあと思いました。
では、それはカルト村とどう違うのか。
アーミッシュは破壊的でない。攻撃的でない。
マインドコントロールや人格破壊をしない。
自然との調和の中で、つつましく生きている。
自分たちの価値観ややり方を人に強要しない。だから、自分たちの信仰を絶対とする迷惑な「伝道」をしない。
村で生まれた子どもも、自分で判断できる年齢になって村を出るのは自由。
キリスト教全体の中では少数派ですけれど、カルト化とは違うようです。
日本には、アーミッシュの村はありませんし、私はアーミッシュの人に会ったこともありません。
行ったことも会ったこともないので断定はできないのですが、キリスト教の中の特によい部分を実践して生きている人たちかもしれないと思います。
なお、字幕で「英国人」と訳されていた English は、「よその人」みたいな感じです。現代の英国とは関係ありません。
(一滴)
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