「ヤジの市民を道警が排除 安倍首相の街頭演説中」
朝日新聞デジタル(2019年7月16日)より引用
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ヤジの市民を道警が排除 安倍首相の街頭演説中
15日に札幌市中央区であった安倍晋三首相の参院選の街頭演説の際、演説中にヤジを飛ばした市民を北海道警の警官が取り押さえ、演説現場から排除した。道警警備部は取材に対して「トラブル防止と、公職選挙法の『選挙の自由妨害』違反になるおそれがある事案について、警察官が声かけした」と説明。だが現場では、警察官は声かけすることなく市民を取り押さえていた。
(略)
公選法は「選挙の自由妨害」の一つとして「演説妨害」を挙げる。選挙の「演説妨害」について、1948年の最高裁判決は「聴衆がこれを聞き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」としている。
松宮孝明・立命館大法科大学院教授(刑法)は「判例上、演説妨害といえるのは、その場で暴れて注目を集めたり、街宣車で大音響を立てたりする行為で、雑踏のなかの誰かが肉声でヤジを飛ばす行為は含まれない」と話す。むしろ連れ去った警察官の行為について「刑法の特別公務員職権乱用罪にあたる可能性もある」と指摘。「警察の政治的中立を疑われても仕方がない」と話した。
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戦後の日本で、政治家の演説にヤジを飛ばした人を警官が取り押さえて排除なんて、聞いたことがない。おそらく、戦後初めてではないのか。
野党の演説に安倍応援団がヤジを飛ばしても警察は同じことをしたのだろうか。
国会でもしょっちゅうヤジが飛び交うが、そっちは野放しか。
松宮教授のご指摘にあるように、「刑法の特別公務員職権乱用罪にあたる可能性もある」「警察の政治的中立を疑われても仕方がない」行為だが、警官はまったく咎められずに今後は日常化するのだろうか。
「ヤジを飛ばせば警官に取り押さえられる恐れがある」となって、政権与党にヤジを飛ばすことができない日本になるのか。
「あれが戦後日本の分岐点だった。あの前は、わりと言論は自由だったのに」なんて、あとから言われるんだろうか。
戦前の日本に逆戻りするような動きを止められるのは国民だけだ。
(一滴)
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