参議院選挙が終わって 2019年7月
安倍改憲は阻止されました。
東北六県では4対2で、野党の勝ち。
わが山形県では、野党統一候補の新人芳賀道也氏が自民党の現職を破って当選。
山形県の自民党参議院議員はゼロになりました。
それでも国全体を見れば、自民+公明の与党勢力は強い。
かつてヒトラーを支持したドイツ国民のように、未来の展望が見えない中で自信を失った国民は、威勢のいい側につきたがるのでしょうか。それが反知性的でも、法の秩序がねじ曲げられても、それでも威勢のいい側を支持してしまうように見えるのです。
そうした中での安倍長期政権ですが、在任中の改憲の野望も砕かれ、政権が迷走して求心力を失っていくならば、国民も目を覚ますかもしれません。
7月19日(金)の朝日新聞から、福田宏樹記者の見解を引用します。(山形県の版です。他の地域では掲載日が違うかもしれません。)
引用開始
記者歴34年 参院選に思う
(略)
4年前の安保関連法成立が分水嶺だった。集団的自衛権行使をめぐる解釈が一内閣の閣議決定で覆され、砂川事件の最高裁判決はねじ曲げられて、揚げ句の強行採決である。これが通るなら通らぬ理屈はない。後に発覚した公文書改竄も森友・加計問題も推移はむべなるかな、うそや方便が大手を振る。(以下略)(むべなるかな=うべなるかな:いかにもそのとおり、もっともなことだの意 文語 引用者注)
引用終了
「これが通るなら通らぬ理屈はない」のです!
通らぬ理屈はない
通らぬ理屈はない
どんな屁理屈でも通る日本になりました。それが権力の意向に沿うのなら。
特定の学校への便宜も、公文書の改竄も、官庁のトップをイエスマンで固めるのも、性犯罪の隠蔽も、鋭い質問をする記者を排除するのも、・・・・首相演説への抗議を警察官が封じるのも。
「通らぬ理屈はない」のです。
エスカレートすれば、核武装でも徴兵制でも神道国営化でも何でもありでしょう。
「通らぬ理屈はない」のですから、無敵です。
国民の支持や無関心に支えられ、何でもありです。
権力の暴走を防ぐためのストッパーを、一つ、また一つと外されたんですよ。
マスコミの権力監視機能を含めて。
まるで、茹でガエルです。
カエルをお湯に入れようとすれば、熱いから気づく。
ナベに水を入れ、その中にカエルを入れて火をつけると、ゆっくり温度が上がって、カエルは気づかないで茹でられるというのです。本当かどうか、そんな残酷な実験はしたことがありませんが、たとえ話でよく聞きます。
安倍政権は、ゆっくりと、民主主義を破壊してきたのです。カエルを水から茹でるみたいに。
安倍政権の下でかなり曲げられてしまった我が国の機構を、再構築しないといけない。
そのためには、安倍晋三氏とその仲間たちを権力の座から引き下ろし、日本を取り戻さないといけない。
日本を、中国や北朝鮮のようにしてはいけない。ナチスドイツや旧ソ連のようにしてはいけない。
抗議する人を戦車でひき殺したり、収容所で虐殺したりする、そういう国にしてはいけない。
安倍政権下での改憲は、絶対にやってはいけない!
日本を取り戻せ‼
(伊藤一滴)
付記1:公明党およびその支持者は目を覚ましてもらいたい。あなたがたは、戦前の日本を思わせるような勢力に協力するのですか? 「小さな声を聴く力」って何? 沖縄の声は聞かないの? 沖縄の小さな声が集まって、かなり大きな声になっているんですけど、それは無視?
付記2:日本国憲法の3つの柱は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重です。憲法の平和主義は「積極的平和主義」(軍事力で相手を抑えることで平和を維持しようとする考え)のことではありません。日本の平和主義のかなめは「集団的自衛権を認めないこと」でした。それを、一内閣の閣議決定で簡単にひっくり返していいんでしょうか? そのために内閣法制局の人事にまで介入しています。「だって景気がいいんだから」といったレベルの話ではありません。満洲事変が起きたときだって、太平洋戦争が始まったときだって、軍需によって一時的に景気がよくなっています。目先の一時的な景気につられて未来の日本をつぶしてはいけない。
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