日本はどこに向かうのでしょう? 2014.6.23
いきなりですが政治の話です。
民主的な選挙で選ばれた人のすることだから、それが民意であるなどと言えるのでしょうか。
かつてワイマール憲法下の民主的な選挙で選ばれたヒトラーは民主主義を破壊しました。
今の日本の政権も、一応、日本国憲法下の民主的な選挙によって成立したものです。しかし国民は、政権にたいして全権を委ねたわけではありませんし総理大臣を絶対君主と認めたわけでもありません。また、現政権は、一票の格差が「違憲状態」で成立していますから、完全に合憲な政権が出来るまでの間の暫定的な政権とも言えます。このような政権が、短期間に、強引に、国の未来にかかわる重大な決定を為そうとすることに危機感を覚えます。それも、重大な政治上の決定をサッカーのワールドカップの時期とぶつけて政治問題の報道を小さくさせようとしているのではないかと疑われ、あまりにも姑息であると感じられます。
日本はどこに向かうのでしょう? いったい、日本の何を取り戻したいのですか。経済ですか。誇りですか。経済発展の追及と人の幸せは比例していません。しかも、資本主義という制度が持つ歴史的限界は政策によって解決できる性質のものとは思えません。それに、日本を誇りたいのなら、平和を貫いてきたことを誇るべきでしょう。掘り下げればいろいろ問題もあるのですが、平和の理想を掲げ、第二次大戦後は一度も参戦しなかった、一度も戦争で殺したり殺されたりしなかった事実を世界に誇るべきでしょう。また、今なら、同盟国から軍事的な協力を求められても、憲法の規定を理由に断ることが出来ます。この点において日本は、自立した、毅然とした態度をとることが出来るのです。憲法の規定が解釈によって骨抜きにされるなら、軍事面でも協力を拒めなくなり、大国の傭兵にされかねません。それを世界に誇ることが出来るのですか? しかも、法改正によってではなく法解釈によって重大な政策変更を行なうのは、法治国家の破壊とも言えます。時の権力者の意向によって法の条文がどうにでも解釈出来るなら、法律は、権力の側からは無きに等しいものになります。法律は、庶民を規制する(弾圧する)ときだけ有効なものになってゆくのかもしれません。これは、北朝鮮や中国のやり方と似てきます。
以前、民主党政権は厳しく批判されました。たしかに民主党には問題も多くありました。しかし、今の、戦後最悪とも思える政権と比べれば、民主党政権のほうがずっとよかったと感じられます。
今ならまだものが言えますから、言えるうちにこれくらいのことは言っておきます。
今日は2014年6月23日です。今年も沖縄慰霊の日が来ました。
(伊藤一滴)
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