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ヒナからニワトリを飼う

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(写真:鶏小屋の産卵箱の上がお気に入りのニワトリたち)

昨年の秋遅く、ニワトリのヒナ(つまりひよこ)をもらいました。
これまで成鶏をもらって飼ってきましたが、飼いやすい品種をヒナから育ててみようと思い、知人に鶏を放し飼いにしている人がいるのでヒナの入手方法を聞いてみたのです。そしたら、
「ちょうどひよこが生まれたところだから、あげるよ」
と言うのです。

母鶏ごともらってきました。
親までもらったら悪いと思ったんですが、母鶏と一緒だと子育てをしてくれるのだそうです。
大きな段ボール箱に入れてもらってきました。
チャボの血を引くという雑種のめんどりと、6匹のかわいいひよこが来ました。
めんどりは自分の卵以外も温めたようで、模様がまるで違うひよこもいます。

くれた人も山里暮らしをしており(だから鶏を放し飼いできるのですが)、私以上の寒冷地に住んでいます。
「オレの所は寒いから、秋遅く生まれたひよこは冬を越せないんだ。伊藤さんとこなら生きると思うよ」
と言うのでした。

私の家の鶏小屋に入れたら、最初は不安そうでしたが、だんだん慣れて、そのうちひよこたちが母鶏の羽の下から出てきて「ピヨピヨ、ピヨピヨ」と鳴くのです。声もしぐさもかわいくて、当時小1だった娘も大喜びです。

鶏小屋の金網に農業用のポリシートを張り、吹雪が直接入らないようにして冬を越しました。
エサは、くず米、米ぬか、野菜くず、魚のあら、とうもろこし、貝殻を砕いたものなどのブレンドです。猫のエサの食べ残しもニワトリなら食べます。自家栽培の大根の葉や白菜の外葉もあげました。
めんどりがひよこたちのめんどうをみてくれるので、こっちは楽です。

養鶏というと大変なイメージがありますが、少数の自家養鶏だと、人の手間は猫を飼うのと同じか、猫より楽なくらいです。
ただしそれは、地べたで飼える鶏小屋があり、チャボ系など、自分で子育てをする品種を飼えばの話です。

動物や鳥が子育てをするのは当たり前のような気がしますが、家畜の場合、もう、当然ではないのです。人が卵を得るために飼うニワトリの主流は、長い品種改良の果てに子育てをしなくなりました。人が器械で卵を温めてヒナを孵し、そのヒナを、やはり人が育てるようになっています。ようするに、めんどりが多くの卵を安定的に産むことだけが追求され、育児の能力など求められてこなかったのです。卵を得るためのニワトリのほとんどは、身動きできないケージの中で「産卵機械」のような扱いを受けています。いったん入れられると、頭の位置とお尻の位置を逆にすることすら出来ない狭い空間です。現代の養鶏業はほとんど、万羽単位で鶏の飼育です。ここで卵を産み続け、生まれてから1年くらいで「廃鶏」となり、多くはチキンエキスなどになります。
一生一度も土の上を歩かず、もちろん土をほじることも、仲間と遊ぶことも、止まり木に止まることもないニワトリ。ヒナを育てることも、野菜を食べることも、日光を浴びることさえもないニワトリ。ただ配合飼料と水だけを毎日与えられ、狭い空間で人工照明を浴びながら卵を産み続けるだけのニワトリがたくさんいて、卵は安価に供給されています。

私がしているのは、こうした、近代的、合理的なやり方の逆です。
私が遅れているのか、それとも私が時代を超えているのか。

無農薬の菜園も、古民家暮らしも、まったく近代的・合理的生活の逆です。
私が遅れているのか、それとも私が時代を超えているのか。私が時代の先頭集団の一人なのか。ただ、とんちんかんな方向に走っているだけなのか。
やることなすこと、世の主流とはまったく逆です。
(続く)
(伊藤一滴)

コメント

私はマンションに住んでいます
子供がひよこを持って帰って来て
大きくなり鳴き声が大きくて苦情がきて
困っています
どこかもらってくれるとこがないか探してるのですが見つからず困ってます

どこかないでしょうか?

突然のメールでこんなこと聞いてすみません

パソコンの不調で、自分のブログにアクセス出来ずにいたもので、遅くなってすみません。
特におんどりは大きな声で鳴きますね。
でも、すでにニワトリのいる鶏小屋に別のニワトリを入れるとケンカになり、殺してしまうこともあると聞いています。雑種のニワトリを飼っている人に他のニワトリもというのは、難しいかと思います。
(伊藤一滴)

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