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後日談

前回書いた、高校文化祭のパンフレットの話は私が高校2年のときのことです。
次の年も、同じように広告を募ろうということになりました。
去年みたいな目に遭いたくないから、あらかじめ生徒会顧問の先生に広告依頼の文書をお願いしました。そしたら、顧問の先生が校長先生に頼んでくださり、校長名が記され校長印が押してある「B高祭パンフレットへの広告掲載のお願い」とかいう、立派な文書が出来てきました。ワープロが出回る前で、手書きの文書が多かった時代ですが、それは和文タイプで打ってある立派なものでした。たぶん、校長先生が事務員さんに打ってもらったのでしょう。
権威ある文書はありがたいのですが、去年自分たちで文案を練ったことを思えば、広告依頼の文書が自分たちの手から離れてしまったような寂しさもありました。事業所から広告費をいただくわけで、金銭もかかわるので、生徒会からの依頼とするより校長からの依頼としたほうがよいという学校側の判断だったのでしょうし、学校側は私たち生徒を守ろうとしてくれたのでしょうけれど。

建前はともかく、現実に高校間格差があります。中にはひどい差別もあります。そういう中で、自分が差別される側になるとどうなるのかという経験を、私はしました。
私は、あらゆる差別が嫌いです。出身校による差別はもちろん、出身校を自慢するのも嫌いです。

親は親、子は子ですけれど、自分の子どもが10代の半ばに向かっていくと、つい、自分のその頃のことを思い出してしまいます。
(伊藤一滴)

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