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のんびり暮らしたいと思っていたのですが・・・・

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(写真:田起こし前の田んぼで遊ぶ娘)

やっと山里も初夏の陽気になりました。
とは言っても、朝晩はまだストーブを焚いていますから、やはり涼しい山里です。

今年も同じように農作業です。
苗代を作り、田起こしをし、代掻きまで終えました。畑の作業も順調です。

山里に引っ越す前は、引っ越したら静かな山里でのんびり暮らしたいと思っていました。
でも、実際はなかなか「のんびり」というわけにはいきません。

静かです。
近隣の人たちから助けられています。昔の暮しみたいです。
田畑や森林の恵みに癒されるのを感じます。
それぞれの季節の鳥の声、虫の声を聞くのも楽しいです。
ふもとまで見渡せる眺めもいいですし、夜は星もはっきり見えます。天の川も見えます。
都市化された暮らしのストレスからは、かなり解放されました。

でも、忙しさもあります。
全国的に少子化の時代です。農村も、近所に子どもの遊び仲間がいません。最近は、息子たちは自転車で遠くまで行くようになりましたが、雪の季節は親が車で送り迎えです。近所の子と遊んでいた私の子どもの頃とは違います。今の農村の子は弁当やカップラーメンを持参して遊びに行ったり来たりします。お昼を食べに家に帰るのが距離的に難しいのです。

私たち一家は戦前~昭和30年代のような家に住んでいるし、山村には昔の風景が残っているし、近隣の人たちには昔気質のようなものがありますが、現実には現代を生きています(うちにも、最新機種の追求はしていなくとも、パソコンや携帯電話などがあります)。
家庭菜園は旧式の農法でも、米や出荷作物の栽培にはかなり現代の農法が入り込んでいます。
農業と兼業でやっている建築業も、基本的には現代の建築です。気持ちとしてはなるべく古風な建築を手掛けたいと思っているのですが、コストや法律の制約、業者やお客さんの理解を得る難しさもあり、なかなか理想通りにはいきません。

古民家の自宅を出て、旧式の四輪駆動車でふもとに下り、国道まで出るとまったくの現代が待っています。
現代の忙しさ、目まぐるしさに、私も妻も巻き込まれます。
それでも、帰る山里の家があるのでまだいいです。家に帰るとほっとします。

山里の古民家に暮らしたからといって、現代の日本で仕事をし、子育てをしているわけですから、暇になるわけではありません。でも、「都市化された暮らしのストレスからは、かなり解放された」と言うことはできます。やることはいろいろあっても、気持ちは落ち着いています。山里で暮らすようになってから、私も妻も、ずっと楽になりました。
(伊藤一滴)

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