伝統民家についての覚え書き・断熱
暑さ対策
カヤぶき民家であれば、カヤの断熱性は高い。だが、都市計画区域内でのカヤぶき住宅は不可。
瓦やトタンの屋根は、夏の直射日光に熱せられ、その熱で、室内も暑くなる。
合成樹脂やグラスウール、ロックウールなどの企業製品を使わない断熱についての覚え書き。
対策案
置屋根(おきやね)
置屋根は屋根の上にまた屋根を乗せる二重の屋根で、土蔵に使われている。テントのフライシートのようになり、間に空気が流れ、屋根裏に熱がこもるのを防ぐ。土蔵によく見られるが、住宅に使った例はあまり聞かない。
野地板を厚くすれば、さらに断熱効果が高まるだろう。
大和天井(やまとてんじょう)
西日本に見られる天井裏の断熱。天井裏にワラを敷き詰め、その上に土壁のように土を塗る。その重量を考えて設計する必要がある。置屋根と大和天井を合わせれば、そうとうの断熱効果が得られよう。
参考文献 安藤邦廣『住まいを四寸角で考える』[学芸出版社]
(伊藤)
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