昔の暮らしは良かった?
「伊藤さん、昔の暮らしは良かったと思う?」と、よく聞かれます。古民家暮らしなどしているから、そう聞かれるのでしょう。それに対して私は、「まあ、いい点も悪い点もあったでしょうから・・・・・」と、あいまいな返事しかできません。
昔といっても、いろいろな時代があり、また同じ時代でもいろいろな面があったでしょうから、一概には言えないと思うのです。
昔を知る人は言います。
「昔はねえ、春から焚き木を集め、食料を確保し、子育てをして1年過ぎた。次の年も同じように過ぎた。その繰り返しだったよ」と。
そういう話を聞いて私は想像してみます。昔の生活は質素で単調にみえても、日常の中で自分で判断し工夫する場が、今よりずっと多かったのではないかと。1分1秒に追われることなく、自分たちの生活のリズムで毎日を暮していたのではなかったのかと。天気が良ければ田畑や山で作業をし、天気が悪ければ家の中で作業をするという暮らしは、天気の良し悪しに関わりなく定時に出社し、仕事の進み具合に関わりなく一定時間は職場にいる現代のサラリーマンの生活とはだいぶ違います。
たぶん昔は、生活が自然に近くて、季節の移り変わりや近隣とのちょとした触れ合いの中にも喜びを感じていたのではないかと思います。いろいろな面があったでしょうが、全般的に考えれば、どうも昔のほうが人間の原点に近かったのではないかと想像しています。(伊藤)
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