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クリスチャンホーム出身者の「戸惑い」

私自身はクリスチャンホーム出身者ではありませんが、子どものときから聖書に親しみ、多くのクリスチャンと付き合ってきました。
それに、私の妻は、クリスチャン4世です。妻のように1960年代生まれの人で4世というのは、あまりいないんじゃないかと思います。妻の家系の初代の信者は明治時代の船乗りで、海外の港町でキリスト教に出会い、信仰を日本に持ち帰ったんだそうです。信仰は2世、3世、4世と受け継がれ、妻の実家も親戚一同もみなクリスチャンです。

妻から聞いた話を中心に、これまで耳にしたクリスチャンホーム出身者の「戸惑い」を紹介します。


日本の風習、慣例、常識、不文律といったものに疎い。
特に、仏式、神式の冠婚葬祭の作法がわからない。御祝いや御香典の書き方や渡し方もわからない。
四十九日が何かわからなかった。
神道の人の遺族に「御仏前」と書いて渡してしまった(「ありがとうございます」と受け取ってくれて、別に変な顔はされなかったけど)。
友だちが、七五三や初詣などの話をしていても、自分に経験がないから話について行けない。
旅行土産の「お守り」などを貰っても、どうしていいのかわからない。
大安とか仏滅とかの話について行けない。
お盆が何だかまったくわからなかった。夏休みを集中させない方が混雑しなくていいのにと思っていた。
仏教や神道にも聖書のような正典があって、檀家や氏子は日々その正典を読み、お祈りしているのだと思っていた。
日本人一般の共通認識がわからず、自分が外国人のようだった。

なんか、笑える話もあるんですが、当人たちは、けっこう戸惑ったみたいです。

妻の家は、リベラルな教会の信者だから、「うちはキリスト教なもので、よくわからなくてすみません」で済むんでしょうが、原理主義信仰・カルト信仰の家の出身者だと、かなり大変だと思います。
「仏教も神道も間違いです。偶像崇拝です」みたいなことを言っていたら、いろいろトラブルになるでしょう。

原理主義者やカルト信者も、初代はまだ、信者でなかったときの経験があって、どっかで誤魔化したり妥協したりしてるんでしょうけれど、信者でない経験を持たない2世、3世は本当に大変みたいです。
親は、自分もできないような独自の理想を子どもに刷り込むのです。子どもは誤魔化しも妥協も知らないから、できないことを純粋に信じ、本気で実践しようとして、結果、心を病む人や、キリスト教を拒絶する人も出てくるのでしょう。現代の律法主義を強要する毒親ですね。

イエスの教えは律法主義の克服だったのに、そのイエスの言葉やパウロの言葉などをつなぎ合わせて、新しい律法のような規律を作って強要する人たちがいるんです。それって、完全に、イエスの教えの否定です。
「イエス様を信じます」って言って、自分たちが独自に創作した「イエス様」を崇める偶像崇拝の一種になっています。


「クリスチャン2世 つらい」で検索するといろいろ出てきます。
どうも、多くは、自称「福音派」(原理主義信仰・カルト信仰)みたいです。
エホバの証人や統一協会の2世の苦悩と似てます。

私の妻や妻の家族(リベラル、かつ、寛容派)みたいに、笑い話で済めばいいんですけれど。


ネットでキリスト教関係を見ていると、いったい世には、どれくらいの種類のキリスト教を名乗る宗教があるんだろうって思えてきます。

教会の数だけ?
信者の数だけ?

それぞれ、言ってることがバラバラ。

どれもキリスト教を名乗るけど、それぞれ別の宗教を信じてる?

(伊藤一滴)

追記:キリスト新聞のホームページを見てたら、どうも、クリスチャン2世の問題は、かなりあるようです。
https://www.kirishin.com/2023/01/11/58089/
これは、特定の教派だけの問題ではないようです。


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