るっせえな(「女の子なんだから」編)
生まれたときから女の子でした
そして だんだん女の子っぽくなりました
「あなたは女の子なんだから」と
刷り込まれた結果でしょうか
あなたは女の子なんだから、
礼儀正しくするんですよ
足をくずしたりしないの
ほら お行儀悪い
乱暴な言葉を使っちゃ駄目
あなたは女の子なんだから、
喧嘩は駄目よ
家のお手伝いをしてね
きちんとお部屋を片付けるのよ
それからお花に水をやってね
あなたは女の子なんだから、
ランドセルは赤ね
スカートがいいわね
何でも控えめにね
男の子より目立っちゃ駄目
あなたは女の子なんだから、
野球やサッカーなんかしなくていいから
それよりピアノを習いましょう
服も髪もきちんと整えるのよ
「お里が知れる」なんて言われないように
あなたは女の子なんだから、
言われる前に気がつかないとね
お客さんが来たらご挨拶して
言われなくてもお茶を運ぶ
靴もそろえておく
あなたは女の子なんだから、
高望みはしなくていいの
何も県外の四年制大学に行かなくても
地元の短大で十分
あんまり出来過ぎちゃ駄目
あなたは女の子なんだから、
そんなに就職のことで悩まなくていいのよ
結婚して退職する女の子も多いんだから
いい人と結婚することの方が大事でしょ
相手は大企業の人か公務員がいいわね
はい はい はい
私は女の子ですから
言われた通りにしてきました
そしてその結果は
「私って何?」
私の人生を返せー!
返せー!
返せー!
返せー!
るっせえ、るっせえ、るっせえな
あわれなクソ野郎、クソアマども
てめえらの臭え口ふさげ
・・・・・・・
はい、これも創作です。
作者の伊藤一滴は男です。すみません。
最後の言葉が汚くて、どうもすみません。
しかも、これ、昭和の感覚ですね。
私が育った昭和時代には、上記のようなことを言われている女の子たちが本当にいたんです。今も、上記に近いことを言われる場合も、ゼロではないでしょう。
自分は男だから関係ない、では済まない話です。
女性が生きにくい世の中って、男性にとっても嫌な世の中ですよ。
性別に関わらず、人が自分の望みや適性を発揮できる世の中であってほしいと思います。
(伊藤一滴)
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