るっせえな
ちっちゃな頃から優等生
15で表彰されました
ナイフに触ったこともない
ガラスを割ったこともない
バイクを盗んだこともない
教科書に落書きしたこともない
煙草を吸ったこともない
百円玉で缶コーヒーを買ったこともない
安いダンスホールに行ったこともない
放火後に街をふらついたこともない
もちろんピンボールのハイスコアを競い合ったこともない
スクランブル交差点で歌ったこともない
ラジエターを洗ったこともない
オイルを替えたこともない
煙草と毛布とギターを
バックシートに積んだこともない
スマホを開いてトレンドをチェック
新聞の経済面もじっくりチェック
でも政治面は読まなくていいですからね
政権批判はタブーです
誰のおかげで食べてるんだあ?
お偉いさん方に失礼があっちゃいけない
政権与党批判は特に駄目
週刊文春なんて読んじゃ駄目 さわるのも駄目
嫌な飲み会も必ず出ましょう
断らない男、断らない女になりましょう
上司の御機嫌を取りましょう 与党の御機嫌も取りましょう
さあ、さ、とりあえずビール 極度に乾燥させよビール
俺たち優等生
俺たち模範人間
いい学校を出て
いい所で働いています
社畜ですか
社畜で結構
そうならないと
食べていけない
俺たちは何を卒業し
どこに向かっているんだろう
るっせえ、るっせえ、るっせえな
あわれな野郎 臭え口ふさげ
・・・・・・・
今朝(2021.3.15)、NHKラジオの「三宅民雄のまいあさ」を聞いていたら、Adoさんの歌「うっせぇわ」が紹介されました。私は今朝のラジオで始めて知ったのですが、この歌、小学生にまで人気で、小さい子も歌っているのだそうです。ためしにうちの子どもたちに聞いたら、大学生の息子も中学生の娘もこの歌を知ってました。娘は「チェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」を意識してるねー」って言ってました。そんなのも知ってるのか。
それで、「うっせぇわ」に触発されて書いたのが上記です。
「放火後」は変換ミスではなくてわざとです。1984年、当時の富士通オアシスは「放課後」が出なくて「放火後」と変換されました。それを思い出したんです。そう言えば、アッシジのフランシスコが出なくて「圧死時の腐乱死す子」になったり、アマデウスが出なくて「尼で臼」になったり、いろいろありました。
いかにも私、50代ですね。(笑)
上の変な詩は青春の歌と思いを混ぜこぜにした初老のつぶやき?
「うっせぇわ」って言われそうだな。
(伊藤一滴)
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