うちの猫3匹
うちには猫が3匹います。ペットというより、ネズミ対策で飼い始めた猫ですが、子猫のときからかわいがって育てた猫たちで、3匹ともよくなついています。我が家は山里の古民家で、猫が交通事故に遭う危険もあまりなく、自由に外に出しています。好きなだけ野山を歩きまわり、家に帰ればエサをもらえるという、今の日本では幸せな猫たちです。
猫たちは近所の家にも遊びに行き、食べ物をもらうこともあります。私は冗談で「猫の托鉢」と言っています。小春日和の秋の日に近所に回覧板を持って行ったら、うちの猫が玄関に1匹、屋根の上に1匹寝ていたこともありました。
「ご迷惑をかけていませんか?」と聞いたら、「伊藤さんちの猫がうちのネズミもみな捕ってくれるんで、かえって助かってるよ。だから、時々お礼に魚をあげるんだ」とのことでした。
私が住む山形県の山間部では、今年は11月の半ばに雪が降りました。寒いです。猫たちも寒いようで、薪ストーブのまわりに集まってきます。家族の誰かがお風呂に行けば風呂場についてきます。水が嫌いなのに、浴槽のすぐそばに来て毛づくろいをしています。この部屋は体をきれいにする場所だと思っているのでしょうか。
娘がコタツに入ると猫もコタツに入って、頭だけ出して人間みたいにしていることもあります。
寒い夜は、人間の布団に入ってきます。毛むくじゃらの顔で、寝ている人の顔をツンツンし、入れてほしいと合図をします。布団を少しめくると自分で入ってきて、中で寝ます。猫が入ってくれるとけっこう暖かくなり、人も助かります。
3匹の猫のうち、どの猫が誰の布団に入るのか、特に法則はないようです。私と妻と娘の3人がいて、猫も3匹、そのときの気分で布団に入って来るので、2匹(時に3匹)同じ布団にいっぺんに入るときもあるし、1匹も来ないときもあります。さすがに3匹同時に入られるとちょっと邪魔ですね。小林まことさんの漫画『ホワッツ マイケル』みたいになります。
子猫のときはよく騒いていましたが、だんだん人とのつきあいがうまくなりました。人間もそうですが、猫も成長します。そして、猫の成長は早いです。家の中はもちろん、家のまわりのネズミがいなくなりました。コタツで寝たり、人の布団で寝たりするのも上手になりました。戸を開けるのも覚えて自分で開けます。ただし、開けて通るだけで閉めません。猫にも性格というか、個性があります。それぞれ、付き合っているとおもしろいです。
共通して言えるのは、猫は自由な生き物だということです。犬のような忠実さはありません。そこがまた好きです。私も妻も、管理や束縛が嫌いで、自由でありたい願う人間なもので、猫とは性格が合うようです。
そうそう、「通販生活」という雑誌に掲載される社会的・政治的な記事には、みごとな指摘が多くて勉強になりますが、あの雑誌も猫好きですね。
(伊藤一滴)
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