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「テロとの戦い」?

「テロとの戦い」という言葉が大好きな人たちがいます。もしそれが、軍事力による戦いという意味であれば、愚かな発想としか言いようがありません。力づくで抑え込めばテロはなくなるとでも言うのでしょうか。きっと相手は「テロとの戦い」に報復し、それがエスカレートしてくることでしょう。事実アメリカは、軍事的に「テロとの戦い」を続けてきましたが、テロはなくならず、巧妙になってきています。

理由もなくテロ行為をする人は、まずいません。テロの根本原因を取り除かない限り、次から次に発生することでしょう。

「テロとの戦い」という言葉が、テロの温床となる極度の貧困や差別の解消や歪んだイデオロギーからの解放という意味であれば私も賛成です(言うまでもありませんが、「歪んだイデオロギー」と「宗教」は別です)。この地球上のほんのひと握りの人たちが巨万の富を手にし、一方でどんなに努力しても貧困から抜け出せない人たちがいます。外国企業の管理下で著しく人権を抑圧されている人たちもいます。こうした現実を放置しておけば、平和的な行動で状況を変えるのは不可能だという考えも広まり、その中に、テロに走る人も出てくるのでしょう。

さて、日本の与党政治家は、「テロとの戦い」という言葉をどちらの意味で使っているのでしょうか。よく意味を考えて使っているのでしょうか。覚悟はあるのでしょうか。

2年ほど前、私は「暴力・非暴力」という題で、以下の文を書きました。

http://yamazato.ic-blog.jp/home/2013/04/post-63ab.html

今の私は、この時と全く同じ気持ちです。付け加えることも、削ることもありません。

(伊藤一滴)

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