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子どもがいるから出来たこと

長らくご無沙汰しておりました。

5月の末に田植えをし、ずっと田んぼの水管理。
畑には野菜の苗を植えたり、種を播いたり。
そして、草刈り。
農業が忙しくても、建築の仕事もする日々。

と、まあ、なかなかブログが書けずにおりました。

子どもが3人います。小学生2人と中学生1人です。子どもには、手がかかります。
山里にいるので、ストレスも少ないのですが、それでも子どもには手がかかります。

子どもがいるから、あれも出来ない、これも出来ないと思うこともありました。でも、落ち着いて考えてみると、子どもがいるからいろいろやってきたのです。

妻に言われました。
「私たちが山里に越してきたのも、子どもがいるからじゃないの?」
そう、それも理由の1つでした。
私も妻も「都市化された暮らし」に疲れや痛みを感じ、抜け出したかった、農村で、農的な暮らしをするのに憧れていた、というのもありますが、それと同時に、子どもが自然の中で元気に遊べる環境を求めていました。

農業のスタートにしても、単に安全な食品を求めるだけでなく、「もう誰も傷つけたくない」という思いがありました。あとから内山節氏の新聞記事を読んでひじょうに納得したのですが、街に住んで、近代的な生活をしていた頃、自分の暮らしが他者を傷つけることで成り立っているように思えてなりませんでした。
近代的な暮らしを支えるために、自然界から多くを収奪し、広範囲に環境を汚染し、海外から様々な形で搾取し、国内の労働者にも過酷な労働を強いているように思えてならなかったのです。街の暮らしに疲れ、心も痛んでいました。自然を含む他者も、自分も、自分に関わる他者も、遠くの他者も、もう誰も傷つけたくないという思いでした。それくらい、都市化された街で産業が供給する物品に依存して暮らす生活は(また、物品を購入し続けるために意義のわからない仕事でお金を稼ぎ続けないといけない生活は)、疲れ、胸も痛んだのです。それも耐え難かったのです。そのことに気づいていない人も多いのですが・・・・。

もし子どもがいなかったら、たとえ「もう誰も傷つけたくない」という思いがあっても、本当に就農までする踏ん切りがついたかどうか・・・・。
今、無農薬でソバや野菜の栽培をしています。本当に、虫も殺したくない気持ちです。

そういう風に考えてみると、子どもがいるおかげで、あれが出来た、これが出来たと、いろいろ出てくるのです。

子どもを持つ親から、「子どもがいて大変だ」という話をよく聞きます。たしかに、あれも出来ない、これも出来ない、と思えるのはわかります。そんなとき、逆に、子どもがいるからあれが出来た、これも出来たと、出来たことを数えてみたらどうでしょうか。

子育て中というのは人生の一つの場面で、他にもいろいろな生き方があります。
どんな生き方でも、人生に無駄などないと、今の私は思います。
(伊藤一滴)

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