オール電化住宅のこと(続き)
以下の2点は実際に聞かれたことで、口では答えましたが、ここにも書いておきます。
問い1「オール電化であろうがなかろうが、どっちみち電気なしには暮らせないのだから、停電時の不安は同じこと。オール電化にすれば光熱費はうんと安い。滅多にない停電と、毎月の光熱費の安さと、どっちを優先するのか」
私の答え「電気の暖房はパワーが弱いのに、それでも全館暖房できるのは、極端な高気密・高断熱の結果です。あまりにも気密性が高いため、反射式石油ストーブなどの非電化暖房器具を使うのは危険です。停電で換気システムが止まった状態でこうした石油器具を使えば、たちどころに室内空気が汚染され、最悪、不完全燃焼の恐れさえあります(これは実際に業者から聞いた話です)。台所も最初からオール電化対応の設計で、ガス器具や石油コンロなどの使用を前提にしていないため、換気も内装制限も火気使用に対応していません。「あとからガスを引けばよい」とか「いざとなったら石油コンロを使えばよい」といった単純な話ではないのです。いざというときに非電化の石油ストーブや石油コンロなどを使えるかどうか考えれば「同じこと」ではありません。また、オール電化の光熱費の安さは、極端な高気密・高断熱を前提にしており、そうしなければかえって光熱費が高くなることもあります。たとえ光熱費が安くなったとしても、それは「今現在」の話です。今後電気料金がどう変動するのかわからない以上、5年後、10年後はわかりません。ちなみに私の家は薪(まき)で暖房したりお湯を沸かしたりしているので、光熱費はうんと安いです」
問い2「すでにオール電化住宅を建ててしまった人はどうすればよいのか」
私の答え「壊して建て直せとも言えませんから、まめに窓を開けてよく換気することでしょうね。高気密と矛盾しますが、人間には新鮮な空気が必要です。新鮮な空気を吸うことで気分も違ってきます。それと、小さいお子さんがいらっしゃるなら、まめに外気浴させたり外で遊ばせたりして、頻繁に外の空気に触れさせてほしいと思います。IH調理器は、できるだけ電磁波の少ないタイプを選ぶとか、電子レンジもそうですが、使用中はなるべくそばにいないとか、それくらいしか思いつきません」
(伊藤)
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