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防犯について思うこと

私たち一家は、戦後1件も犯罪がないという山里の集落に暮しているので、ふだん、「犯罪なんてどこの世界の話?」みたいな感覚になっていますが、全国的には様々な犯罪があり、子どもが被害者となる痛ましい事件も起きています。

息子たちが通う小学校でも、防犯講習がありました。
犯罪など皆無に等しい田舎暮らしとはいえ、防犯対策の必要性を否定するつもりなどありません。ただ、世間に流布している「凶悪犯罪が増加し、子どもが被害にあう犯罪も増えている」というイメージは正しくないので、そのことは、はっきりさせておく必要があろうかと思います。

警察庁その他のホームページで見たところ、凶悪犯罪の総数も年々減少していますし、子どもの犯罪被害件数も減っています。「増えている」というイメージは誤りで、マスコミのセンセーショナルな報道の影響や、特に都市部で孤立した親たちの不安感が、そうした誤ったイメージを増幅させているのではないかと思いました。
都会には、知らない人とは一切口をきくなとか、道を聞かれても無視しなさいとか、子どもに教えている親もいるそうですが、そこまで世の中が病んできたのかと思うと悲しいです。

「凶悪犯罪の増加」といった誤った先入観で不安におびえ、高価な防犯グッズを購入したり警備会社と契約したりする前に、きちんと挨拶をするとか、近所で声をかけ合うとか、危険や異常を感じたら逃げて、人に知らせるとか、そういったごく当たり前なことが大事だと思うのですが、「知らない人とは口をきかない」ような人が増えていくのでは、もう、難しいのでしょうか。

子どもは本来、危ない所に行きたがるんです。私も子どものころ「冒険」が大好きでした。防犯と、子どもが生きる力を身につけながら育つことと、はたして両立するのだろうかと、親として、悩んでしまうところです。(伊藤)

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