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ようやく稲刈り

10月3日、雲1つない秋晴れの下、稲刈りをしました。
最初は4日の土曜日にする予定だったのですが、地主の真壁さんから、「4日から天気が崩れるかもしれないから、3日に稲刈りをしたほうがいい」と連絡があり、急きょ仕事の予定を変更して稲刈りをしました。(実際、真壁さんがおっしゃた通りの天気になりました。農家は、天気には敏感です。)

種モミの用意に始まり、苗をつくり、田植えして、今まで育ててきた稲が、見事に育って黄金色の海になり、いよいよ収穫かと思うと胸が高鳴りました。
実は、この実りの多くは自然の力です。あとは今まで田んぼの手入れをしてきた真壁さんの力で、私の力はわずかです。天の恵みと真壁さんには感謝です。

本当は天日干しがおいしいのでしょうが、今回は天日干しの準備が間に合わず、真壁さんにコンバインを出してもらい、収穫したモミは人工乾燥にかけました。コンバインというのは、稲刈り機と脱穀機とわら切りが合体した機械です。稲を刈りながら走行中に脱穀し、わらを刻んでばらまくというすごい機械です。

『新版・作物栽培の基礎』[農文協2004]によると、今はコンバイン刈り・人工乾燥が9割で、天日干しは1割だそうです。
少数派の道具は、だんだん入手が困難になります。まず、天日干し用の稲杭を売る店が少なくなりました。コンバインには脱穀機能もあり、コンバインを使えば脱穀機もいらないので、ハーベスター(自走式の脱穀機)の生産も減り、中古の脱穀機の入手も困難になりました。「伊藤さん、もっと早く言ってくれたら脱穀機なんかタダであげたのに。この春(あるいはこの夏)スクラップ屋にやっちゃったよ」と何人からも言われました。
今年は中国バブルで鉄材が高騰し、スクラップ屋が農村の隅々まで回ってきたようです。なにせ、くず鉄が1キロ60円を越えていたのですから。ちなみに、オリンピックの終了と共に鋼材バブルもはじけ、今、くず鉄はキロあたり20円かそれ以下だそうです。

昔は鎌で刈って天日干しをしたそうです。そのあと、稲刈り機が出てきて、さらにバインダーと呼ばれる結束機能付きの稲刈り機になりました。これは今も使われていて、私も中古品を1台入手しました。その後、コンバインという、稲刈り機と脱穀機とわら切りが合体した機械が主流になり、今に続いています。農家の人手不足や高齢化もあって、多少味が落ちても、手間の少ないコンバイン刈りが主流です。

1反(300坪)と少しの田んぼは、約2時間できれいに刈り終わりました。機械が入れない隅のほうは、昔ながらのノコギリ鎌で手刈りしました。手刈りの稲も、最後にコンバインに放り込みました。あたり一面、稲わらのいい香りがしました。
さて、いくらコンバインで刈って田んぼで袋づめしても、重い生米の袋を軽トラに積んで乾燥機まで運ぶのは人の仕事です。精米すれば600キロくらいになるのでしょうが、生のモミのままだと1トンを越えています。これを軽トラに積み、作業小屋に運んでから乾燥機に入れるのも人力。これは高齢者が多い農家にはかなりきつい仕事です。
真壁さんに機械を操作してもらい、私と妻とで生のモミを運んだのですが、2人とも、けっこう疲れました。真壁さんの作業小屋にあるモミ乾燥機は巨大で、使用最低量が生のモミ1トン。私たちが田んぼから運んだモミは、この最低量を少し超えていました。
そのあとは日程の都合がつかず、乾燥してもらったモミはまだ真壁さんちの小屋の中で、食べていません。早く食べたいのですが。

さて、稲杭と脱穀機を探してきて、来年こそは、天日干し、がんばるぞ。(伊藤)

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