夏の近況
暑い季節になりました。
山里は朝晩涼しく、エアコンも扇風機もいりません。夏の山里は実に快適で、ちょっと申し訳ないくらいです。
8月になり、稲穂が出てきました。出穂期は水が必要だそうで、ひび割れするくらい土用干した田んぼに少しずつ水を入れました。田んぼの上をシオカラトンボが飛んでいきます。雑草を取るため田んぼに入ると小さなイナゴもたちも動き回ります。タニシたちは殻を閉じて水が入るのを待っているようです。夏の田んぼも生き物たちの宝庫です。
小学4年の長男が「お寺の体験」に参加し、町内の寺に2泊してきました。寺は弘法大師の教えを受け継ぐ真言宗の由緒ある寺です。研修中は肉や魚を一切口にせず、お汁と漬物とご飯だけの粗食を食べ、朝は5時に起きて本堂を掃除し、般若心経を唱え、鐘をつき、僧侶の講和を聞き、座禅し、写経するという、修行僧のような体験をしてきたそうです。
家に帰ってから、安心して疲れが出たのか、別人のようにおとなしく昼寝をしてました。
日本は仏教国だというけれど、仏教は形骸化し、一般の人が参加するのは葬式と法事くらいです。お寺の檀家でも、寺に泊まって研修を受ける機会など、まずないでしょう。しかも、自分の菩提寺以外のお寺の僧侶の話を聞く機会もあまりありません。いい体験だったと思います。
今日は広島原爆の日です。長崎原爆、ソ連軍侵攻、そして敗戦(終戦)の日も近づいてきました。
野坂昭如著『火垂るの墓』を久しぶりに読み返しました。
初めて読んだのは高校生のときで、泣きながら読みました。その後、アニメ映画化され、たしかトトロと一緒に上映されたと思うのですが、映画版でも泣いてしまいました。
実は、今読返しても涙が出てきます。
戦時中や敗戦直後には、実際に節子ちゃんみたいな子どもがたくさんいたのでしょう。一握りの人たちが戦争を始め、何の関係もない人たちが巻き込まれて死んでいきます。
今日でもアフガニスタンやイラクなどで、たくさんの無辜の市民が戦闘の巻き添えになり、死んだり、傷ついたり、家族や親しい人を失ったりして、今も混乱の中にいるのかと思うと胸が痛みます。(伊藤)
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