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雪切り

わが家の屋根は、昭和初期の新築当時かや葺きだったそうですが、戦後の大改造でトタン葺きの入母屋屋根になりました。前の持ち主が何度か屋根の手入れをしたようですが、トタン全体が古くなって傷んでおり、梅雨時から雨漏りが気になりだしました。ほうっておくと家も家具も傷むだろうし、思いきって、昨年、2階の屋根を全部新しいトタンに葺き替えました。予算が許せば、かや葺き屋根を復活させたかったのですが、趣味的なことにそこまで費やすお金もなく、トタンで妥協しました(豪雪地帯なので、瓦は不向き)。
そのとき、屋根に雪切りをつけました。雪切りは、切妻や入母屋の屋根の雪を自然落下させるためのもので、屋根の上に背ビレみたいに取り付ける一種のエッジです。これがないと、雪がくっついて、三角形の屋根の左右でつりあってしまい、どっちにも落ちないままどんどん積もってしまうのです。
さて、雪切りをつけた結果、雪おろしの必要がなくなりました。雪は少しずつ滑り落ちるので、いっぺんに落ちて人が怪我をしたり埋まったりする危険もなくなりました。雪のような柔らかいものでどうして怪我をするのかと思うかもしれませんが、どんどん積もれば下は圧雪となり、ひじょうに硬くなります。大きなつららが出来ることもあります。たとえ柔らかい雪であっても、いっぺんに落ちれば埋まって窒息する恐れもあり、危険なのです。

私は、電化や機械化で簡単便利を追及することには批判的ですが、雪切りのようなちょっとした工夫で、雪おろしの労力をなくし、しかも、安全にするというのはいいことだと思います。屋根に熱線や温水パイプを内蔵して雪を融かす仕掛けもありますが、雪切りがあれば、電気や石油や人の労力を使わなくとも、屋根の雪を自然に落下させることができます。なにも、雪と戦うため重武装する必要はないのです。工夫です。工夫。(伊藤)

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