薪ストーブ
10月初旬まで関東や西日本はずいぶん暑かったようですが、山里のわが家は9月末から寒いくらいになりました。
近所の稲刈りも終わり、稲作農家は一安心というところです。最近は稲刈りと脱穀を機械でいっぺんにやって電気乾燥というのが多いのですが、この辺りはまだ、刈った稲を天日干ししている農家も多いです。
棚田に一面、稲を干す風景の中に、たくさんの赤とんぼが舞っているというのは、なんともいいものです。
自家用に、薪(まき)ストーブを自作してみました。鉄骨建築の端材の鉄板を溶接して作りました。くず鉄を材料にしたので、鉄の材料費はタダです。燃焼効率の計算までは自分で出来ないので、既製品のストーブを参考にしたり、カンで見当をつけたりして試作し、実際に燃焼の実験をしてほぼ満足のいくものを作りました。
近所の人に手伝ってもらって自宅の壁にメガネ石を取り付け、完成した薪ストーブを土間に置き、煙突は自分で設置しました。煙突は市販のもので、直径106ミリ、昔ながらのほうろう煙突です。これを9月末から使っているのですが、思った以上に暖かいです。土間と板の間、台所、合計約20帖を暖めていますが、熱がやわらかく、居心地がいいです。
自然と、火のある部屋に家族が集まってきます。夕食後、薪ストーブのある土間のそばで、家族で過ごす時間が長くなりました。
薪は、家の周りから拾ったり、林の倒木をチェーンソーで輪切りにして斧で割ったりしたもので、買ってはいません。私の手間やチェーンソーの油代のほかはタダです。手間と言っても、楽しみや運動も兼ねていて、苦になりません。それに、外の掃除や林の手入れになりますし、薪ストーブで煮炊きしたり、土間で洗濯物を乾かしたりもできますから、一石二鳥、三鳥、四鳥・・・・・になります。チェーンソーの燃料やオイルが少しだけ必要ですが、灯油代もかからず、電気やガスも不要で、燃費はタダ同然。煙突のほかは配管も配線もなく、すっきりしていて、見た目も悪くありません。
今、目の前でナマの火が燃えているって、なかなかいいものですよ。ふだん大騒ぎの子どもたちも、一緒に火を見つめていたりするんです。温度管理は焚き木の量で調整するというおおまかさがまたいいです。
山里におりますと、チェーンソーと自分の手間が少々、それと薪ストーブがあれば、それなりに快適な北国生活ができそうです。(伊藤)
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