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「有機農法」の問題点(覚え書き)

有機農法とされる農法の問題点について、自分なりに思うことをまとめて書いてみたいと思っているのですが、なかなかまとまったことを書けないので、まずは、覚え書き程度のことをご紹介したいと思います。

有機農法とは、農薬や化学肥料を使用しない作物栽培法のこと。
現在の日本では、認定を受けなければ、有機農産物と表示できない。
家畜の糞尿を肥料にしても、有機農法になる。
海外の有機肥料を使用しても、有機農法になる。

日本の現行法では、天然の物質でも農薬として使えば農薬扱いですし、天敵を放しても農薬扱いです。たとえばアブラムシ対策として畑にテントウムシを放したりすると、そのテントウムシは法律上「農薬」です。そんな馬鹿なと思うのですが、法律はそうなってます。だったら、農家のおじさんやおばさんが手で虫を取れば、そのおじさんやおばさんも「農薬」なのかと言いたくなります。

有機認定を受けるには、手間もお金もかかります。農業法人や大規模農業者ならともかく、農家個人、特に高齢者夫婦が多い小規模の農家が認定を受けるのはなかなか難しいのです。認定品よりも質の高い有機農産物を作っているのに、法律上「有機農産物」と表示できない、ということが起きています。

家畜の糞尿を肥料にする場合、どのようなエサが与えられたのか問われません。残留農薬などの化学物質を含むエサが与えられ、それが家畜の体内で濃縮されて排泄されている可能性もありますが、それは問われないのです。

人件費の安い海外で有機肥料が生産され、輸入されています。そうなると、有機農法も、もはや工業的なアグリビジネスです。日本が有機肥料の輸入大国となり、そのぶん海外の田畑が有機物を失っていったら、しまいに有機農法も他の産業同様、持続しないシステムとなっていきます。

有機農法はダメだと言うのではないのです。有機農法の名のもとに産業化が進み、地球環境全体を考えればむしろ害になるようなやり方に疑問を感じているだけです。
また私の夢物語の話ですが、有機肥料も5里四方で得られれば理想です。自分の敷地内で得られればもっといいと思います。

発酵させれば肥料になる生ゴミが、紙くず等と一緒に処理場で焼かれています。人間の排泄物も昔は大切な肥料でしたが、今は飲める水で流され、下水道や浄化槽で処理されています。そうやっておきながら、遠くで作られた肥料がお金で売買されています。
(ちなみに山形県長井市は、生ゴミを別に回収し、肥料化しています。これが全国規模に広がってくれるといいのですが。)

わが家の汲み取りトイレで肥料を作れないか検討してみましたが、ひとつ、難しい問題がありました。 
肥料化に適したトイレットペーパーが入手できないのです。これまで、再生紙のトイレットペーパーを使ってきました。それもなるべく、雑誌古紙などを原料にしたものを使ってきました。これだと、原料古紙に由来する薬品や化繊や合成のインクなどが残留している可能性もありますし、再生の際の漂白による塩素残留も考えられます。木屑などを原料にした無漂白のトイレットペーパーが作られ、安定的に供給されればいいのでが・・・・・。
人間の排泄物に対する紙の比率なんてたいしたことがないような気がしますが、実際はそうでもないのです。
お尻を拭いた紙だけ別に捨てるというのもどうかと思いますし・・・・・。紙を使わなければ温水にエネルギーを使うし、温水を使わずタイやフィリピンみたいに水を使えば日本の冬では冷たすぎるだろうし・・・・・。というわけで、今のところ我が家のトイレの肥料化は実現しておらず、バッキュームカーに来てもらってます。
まあ、これは今後の検討課題の一つです。(伊藤)

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