石破茂さんに期待したい
自民党の新総裁は石破茂さんになった。
ほっとしている。
高市早苗さんだったらどうなったろう。靖国神社参拝や戦前を美化するような歴史観の披露、タカ派の発言の数々等で、中国・韓国をはじめとするアジア諸国からの反発はもちろん、アメリカやヨーロッパ諸国からも警戒され、これまでの日本の外交努力が台無しになり、経済にも悪影響が出たかもしれない。
でも、考えようによっては、高市早苗首相のもと、公明党が政権から離脱する、自民党が分裂する、政権交代が起こる、となって、日本の未来のためにはよかったのか?
思えば、安倍内閣や菅内閣は、日本の民主主義を平気で踏みにじる内閣だった。岸田内閣になって、やっとまともな日本に戻った。だのに岸田さんは人気がない。
大衆なんて、そんなものだろう。大衆は深く考えることなく、社会を劣化させる政治家を選ぶ。長期的・総合的な展望を語る人より、今、威勢のいいことを言う人が人気者になる。
石破茂さんがクリスチャン4世なのも有名だ。日本基督教団の人で、信仰的にはリベラルな立場である。
石破さんはけっこう右派の面もあるけれど、筋は通そうとする人だ。無理を通して道理を引っ込め続けた安倍さんや菅さんとは違う。
血筋で人の価値が決まるわけではないが、石破さんは、新島襄の門下であった金森通倫(かなもり・つうりん、みちとも)の曾孫にあたる。金森は熊本の出身で、京都の同志社に受け入れてもらった熊本バンドの一人だ。
明治の初め、熊本洋学校に招聘されて教鞭を執っていたいたアメリカ人教師L.L.ジェーンズに影響され、多数の学生がキリスト教に入信した。これに旧守派が反発したこともあって、熊本洋学校は閉校になり、勉学の道を断たれた学生らは同志社に移って学びを続けた。彼らは熊本バンドと呼ばれている。この熊本バンドから、キリスト教界のみならず各界で活躍する人たちが巣立って行った。もちろん彼らはみな初代クリスチャンである。
血筋に関係なく優れた人が現れて活躍することがある。一方、先祖の志を受け継いで活躍する人もいる。これは、どちらもいる。
初代の人を「開拓者」と呼び、血筋などの縁故の人を「関係者」と呼ぶ人もいる。能力的な優劣はないと思うが、有利か不利かを言えば関係者の方が有利だ。関係者には家の理解や協力、人脈がある。資料や口伝もある。一方の開拓者はゼロからのスタートになる。だが、ゼロから始め、良き師らに出会い、うんと学んでその分野で大きく活躍する人もいる。
石破さんは政治家としてもクリスチャンとしても関係者(血筋の人)だ。だから駄目だとは言わない。先祖から受け継いだ知識も人脈も資料も有効に善用していただきたい。自民党の新総裁=新総理には、しっかりとこの日本と世界を見渡した上での長期的・総合的な判断を願う次第である。
(伊藤一滴)
追記(2024.10.7):就任前から即解散の表明なんて裏切りだという声もありますが、違法なことではありません。これはたぶん、旧安倍派の力をそぐためでしょう。自民党の最大派閥だった安倍派ですが、安倍派の議員、裏金議員、統一協会系議員って、けっこう重なってます。パーティー券収入のキックバックをなかったことにしたり、韓国の宗教カルトと裏でつながったりしながら、愛国者のような顔をするなよって言いたいです。愛国系議員か、売国系議員か、どっちなのか、国民は目を覚ましたほうがいいです。権力にすり寄って裏で卑怯な手を使い、表で威勢のいいことを言って大衆を煽るのは、真の愛国者のすることではありません。
反安倍派の村上誠一郎氏が入閣しましたね。やりますね、石破さん。この勢いで安倍派らを失脚させて、モリカケサクラの闇も暴いてほしいです。安倍晋三氏に近い人たちが何をやっても逮捕も起訴もされない闇も暴いてほしいです。彼らは図に乗ってやりたい放題でした。与党議員、警察・検察の幹部の誰がどう動いてそうなったのでしょう。
私は左派ではありません。虎の威を借りて卑怯な手を使う人たちが嫌いなのです。理屈の通らないことをやったり、言ったりして、批判されてもうやむやにしたり、力でねじ伏せようとしたりする人たちが大嫌いなのです。
追記2(2024.10.24):「石破茂さんに期待したい」というのは、自民党を応援しますという意味ではありませんからね。自民党の中ではわりとまともな石破茂さんが総裁になり、最悪の事態は避けられたのですから、今後、自民党が少しでも良くなるよう期待したいのです。自公の候補者に投票するつもりはありません。
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