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「怪獣」ジャミラ

幼い頃に出会った絵本を思い出してみると、どうもハッピーエンドはあまり印象に残っていないと以前書きましたが、テレビ番組もそうです。
私が幼稚園児だった頃、ウルトラマン(再放送)を毎回見ていました。中でも怪獣ジャミラが印象に残っています。いろいろ見たはずなのに、ジャミラの印象だけが特に強いのです。

宇宙開発競争の時代、某国の宇宙飛行士ジャミラは事故にあって水のない惑星に不時着し、その環境の中で、水なしで生きられる「怪獣」に変化したというのです。祖国はジャミラを見捨てて救助せず、「怪獣」ジャミラは復讐のために地球に戻ってきます。国の首脳が乗った旅客機を墜落させ、世界平和会議の会場を襲撃しようとやって来るジャミラ。
幼稚園児の私は、「ジャミラがかわいそう、助けてあげて、人間に戻してあげて!」と心の中で叫んでいました。
ジャミラは科学特捜隊からもウルトラマンからも攻撃されて殺されてしいますが、どうして殺されないといけないのか、納得できない思いでした。

今も、納得できません。
ジャミラは、もともと怪獣でも宇宙人でもなく、人間の宇宙飛行士でした。たまたま事故で不時着した惑星の環境で、怪獣のような姿になってしまったのです。たとえて言えば病人です。旅客機を墜落させたり会議場を襲撃しようとしたりしたのも、正常な判断力を失っていたからかもしれません。
そのジャミラを、保護も治療もせずに殺害していいんだろうか。今も、納得できません。

(一滴)

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