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震災被災地の霊

霊について語るなら、霊とは何か、定義が必要になります。でも、この定義はなかなか難しいのです。

ここでは霊という語を、以下の意味で使います。

1.人間の心身をつかさどるもの。魂、霊魂ともいう。地上における死によって、地上の肉体から離れるというその人の実体。

2.普通は人の目に見えない存在で、意思を持ち、超自然的な働きをなすものの総称。場合により、人間がその意思や気配や姿を感じることがある。

2は1を含みますが、1ではない2もあります(たとえば神)。霊が存在するのかどうか、科学的な証明はできません。ただし、人類の歴史的経験や数々の証言から、霊は存在するという考えがあり、そう考えたほうが説明しやすい事柄もあります。

被災地に出るという霊は、震災(特に津波)で亡くなった人の霊のようであり、

生者を励ます死者の霊

旅立つ前に現れたのではないかと思われる死者の霊

自分が死んだということに気づかずにいる死者の霊

上記以外の霊

のようです。

以前書いたとおりで、死者は、「無になってしまった人」ではありません。

山形孝夫先生がおっしゃるとおり、「生者の呼びかけに答え、励まし」を与える存在であり、「未来へ共に生きる存在」だと思います。

突然の死ゆえ、自分が死んだということを受け入れられない死者の霊がいるなら、その人を思い、祈るべきでしょう。

被災地で死者の霊に出会った、死者の霊を感じたといった話を、おどろおどろしい怪談のようにはしたくありません。畏敬の念を持って、鎮魂を祈りたいと思います。また、生者の呼びかけに答え、生者を励ます霊は、未来へ共に生きる存在だと考えています。

(伊藤一滴)

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