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あいまいさこそが抑止力だったのに

台湾有事が我が国の「存立危機事態」になり得るという高市早苗総理の発言で、中国が怒ってます。
中国は総理の発言の撤回を求め、中国国民には「日本への渡航を自粛するように」「留学は慎重に」と言っています。
困ったことになりました。

中国を怒らせただけではありません。
台湾有事の際、我が国はこうすると明言してしまったら「手の内を読まれる」ことになります。「日本はこの場合ならこう動くだろう、この程度なら動かないだろう、だから我々はこうしよう」って、中国の軍事行動に利用される可能性だってあります。それは台湾有事抑止力の低下になるのです。
それもあって、歴代首相は台湾有事の際にどうするのかを明言してこなかったのでしょう。日本ははっきり言わない、日本がどう動くかわからない、そのあいまいさこそが抑止力だったんです。
一部の人たちが勘違いして騒いでいますが、中国に怯え、中国に媚びて、これまで明言してこなかったのではないのです。
「日本は断固たる態度に出ると表明したことで抑止力を向上させた」なんて言っている高市応援団もいますが、防衛上の手の内を読まれてしまって何が抑止力の向上ですか。百害あって一利なしです。

高市首相は、歴代首相が言わなかったこと、言ってはいけないことをはっきり言ってしまったんです。官僚が用意した答弁の原稿にはなく、アドリブだったようですね。あまりにも軽率と言うか、口が軽いと言うか。自分を応援してくれる右派へのリップサービスだったのかもしれませんが、ツケが大きすぎます。

高市発言は国益を大きく害しました。国防、外交、経済、その他、様々な面で大損失です。
ラジオのニュースで言ってましたけど、中国との対立が1年続けば経済的損失だけでも1兆円を越えるとのことでした。


中国にしてみれば台湾は中国の一部ですから、発言の撤回を求めて一切妥協しないでしょう。そして、高市さんの側は、発言の撤回は絶対にできません。もし発言を撤回したら、日本の防衛行動の制約になってしまいますから。

この問題を鎮静化させる道は一つしかありません。
高市さんが総理大臣を辞任することです。

年内かな?

(伊藤一滴)

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