入試面接に思う
高校3年生の長男は大学進学を目ざして勉強中です。現在、日本の大学入試は多様化し、試験によっては面接が実施されることもあるので、面接の練習もしています。
私も、いわゆる「面接本」をいくつか見てみたのですが、本によって書いてあることが違います。たとえば、「政治や社会を批判するような話は避けるべきである」と書いてある本と、「政治や社会に対する批判的な視点を感じない生徒に高い評価を与えたくない」と、まったく逆のことが書いてあるのもありました。
大学の先生の多くは、教育者であると共に研究者でもあり、与党の政治家ではありませんから、面接の場で政治や社会を批判するようなことを言ったからといって、それを理由に即不合格にはしないだろうと思います。不合格は、何か他に理由があるのでしょう。もし、本当にそれが理由の不合格なら、そんな大学に入ったってろくな授業は受けられないだろうから、不合格になって正解というものです。大学人の務めは真理の探究であって、権力の意向を忖度することではありません。学問は学問として独立したものであり時の権力の意向に左右されない、それは、研究者にとって基本中の基本です。もし、この基本さえわからぬ教員が面接官をするような大学があるなら、それは、しょせんその程度の大学だと言えます。
私なら、「政治や社会に対する批判的な視点を感じない生徒に高い評価を与えたくない」です。
(伊藤一滴)
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