« ロケットストーブで暖房を | メイン | ロケットストーブの課題 »

暖房用ロケットストーブの製作・取り付け

Photo

(写真:薪ストーブとロケットストーブの合体)

(前回の続き)
考えが浮かぶと夢中になる性格で、困ったものですが、もう、すぐにでも作りたくなり、さっそく材料を用意し、知り合いの金属加工業者が休みの日に作業場と道具を借り、本当に暖房用ロケットストーブを作りました。丸一日かかりました。

内部のヒートライザーと呼ばれる部分は、もらってきたステンレスの端材で私が手作りし、外の覆いだけは見た目もきれいに仕上げたかったので金属加工所の社長に頼んで1.6ミリ厚の鉄板で四角に作ってもらいました。もちろん作ってもらった部品の代金を払い、場所や道具を借りた謝礼もしました。

加工所で全部組み立ててしまうと重くて持てなくなるので、ネジで組み立てられるようにして、出来たパーツを軽トラで自宅に運びました。雪が降ると車で自宅に行けなくなるので急いで作りました。

パーツを全部自宅に運び、いよいよ土間で組み立てです。
工作好きの次男を呼んで手伝ってもらいました。

既存の薪ストーブには、炎が直に煙突に行かないよう鉄の遮断板を付けていたのですが、これを外し、ロケットストーブと合体です。ロケットストーブのヒートライザーを園芸用のパーライトで断熱し、蓋をして、焚き付け用の杉葉や木くずを用意し、いよいよ点火です。

「点火~っ!」
なんだか「ヤマト発進!」のときの「宇宙戦艦ヤマト」のテーマソングが聞こえてきそうです。
わくわくしながら火を点けようとしたのですが・・・・、
どうも、今までより点火しにくいのです。
冷え切ったヒートライザーがあり、吸い込みが悪いようです。
くすぶっています。
だんだん室内にも煙が漂ってきまして、娘(小1)は、
「煙い、煙い、煙が少ないストーブなんて嘘でしょ」
と言い出す始末。

私はあせり、うちわで扇ぐとますます室内に煙。
だんだん妻の顔まで不機嫌になりそうで、もう、杉葉や乾いた木くずをどんどん入れました。

すると、細かくした薪も燃えてきて、ゴーっと燃えてくるともう煙くないです。
どうも、煙いのは最初だけで、ヒートライザーが温まるとどんどんと吸い込んでよく燃えるみたいです。

あとは快調でした。
ほかほかです。
実に快適です。
焚き始めだけはやや煙りますが、燃えれば煙も少なく、ススもほとんど出ません。
のぞき込むと、既存の薪ストーブで燃えなかった煙がヒートライザーの中で燃えているのが見えます。
二次燃焼が起きています。
今まで煙やススとして捨てていた成分が燃えているのです。

それからずっと使っています。
火持ちもよくなりました。前の晩のオキを灰に埋めておくと翌朝も火が残っていて火種になります。「火種が残る」という言葉は今では比喩にしか使わなくなりましたが、本来はこういうことかと思いました。夜、寝てから、ヒートライザーが少しずつ冷めてきて、冷めると吸い込む力が落ちてきて、それで火種が残るようです。

一次燃焼だけのときは、初期の吸い込みはよくても多く焚き物を使い、燃える成分を一部捨て、火力が落ちても吸い込むので朝には灰の中の火も燃え尽きていたのです。
ロケットストーブをつけてからは、今までのような調子で焚き物を入れると部屋が暑すぎるくらいですし、火種が残るおかげで、朝起きたときに部屋がひどく冷え込んでいるということもなくなりました。

最初の日は、妻の冷ややかな視線を感じたのですが、使い出してからは好評です。
部屋が暖かい、障子や襖を開ければ部屋を幾つも暖房できる、室内で洗濯物がよく乾く、朝は今までに比べれば部屋が寒くない、灯油の節約になる等々、いいことがいろいろです。
子どもたちからも好評です。(続く)
(伊藤一滴)

コメント

既存の薪ストーブを焚口に使うとは.考えましたね。焚口が綺麗ですよね。

ロケットストーブって、なかなかの優れものだと思います。誰も特許とか言わないで自由に作れますし。薪ストーブとロケットストーブを合体させると両方暖まるので暖房効果が高いようです。他にもいろいろなアイディアで工夫できそうです。
(伊藤一滴)

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。