記録的な大雪
記録的な大雪です。
本当に、今まで経験したことのない大雪です。
山里の我が家は、1階が雪で埋まるのは毎年のことですが、今年は小屋や、道路沿いの車庫まで埋まりそうになっていて、これほどの大雪は初めてです。
山形県内を含め、各地で雪による死傷者が出ており、胸が痛みます。
これまで私は、雪というものをあまり否定的に考えていませんでした。
雪の厳しさがあるから、人は助け合い、そうした中で、相互扶助的な精神風土が出来てゆくのだと、むしろ、肯定的に考えてきたのです。
でも、それも、程度問題かもしれません。
とにかく、物凄い雪です。
近所の80代の高齢者たちも、「こんなのは初めてだ」と言っています。
これほどの大雪は、滅多にないことなのでしょうが、自然の脅威を見せつけられているような感じがします。
ごくまれとはいえ、こうした脅威も含めて、自然なのでしょう。
自然には多くの恵みがあります。大部分は恵みと言ってもいいくらいです。
しかし中には、非常に恐ろしい部分もあり、ときに人は、自然の中の恐ろしい部分と向かい合わないといけない、ということなのでしょう。
自然の中で暮らす、というのは、脅威も含めた自然の中で暮らすということなのでしょう。
(もちろん、街の中にいても、地震などの自然の脅威はなくなりません。むしろ、災害時には農村部の方が対応しやすいかもしれません。)
私の守りは原始的で、薪ストーブの火で部屋を暖め、スコップで家の出入口を確保する、というやり方です。
山の暮らしなので、ある程度、食料の備蓄はあります。卵は自給しています。肉や魚などは、四輪駆動車でふもとに下りて買ってくれば、しばらく保存もできるので、困ってはいません。
ただ、毎日続く雪の相手で、ちょっと疲れてきました。
早く春が来てほしい、というのが正直な気持ちです。
たぶん、雪国の人は、ほとんどみんな、そう思っているのではないでしょうか。
(伊藤一滴)
先日、恩師の葬儀で山形に行きました。ものすごい雪で驚きました。除雪されていない道路は雪でハンドルをとられて、運転するのが本当に大変でした。山間部はさぞ、と思います。
森敦の「月山」の中の風景が頭をよぎります。
この1年は本当に自然の猛威、圧倒的な力を見せつけられたような気がします。それでも、生きていくしかないからこそ、智慧が必要なのでしょう。自然の力の前に無力であることが、人を謙虚にもするのでしょう。そしてその上で、なんとか自然と共存し、生き抜く工夫をしてきたからこそ、人類は繁栄したのだということを、もう一度考えなくては・・・と思います。決して自然を征服しようなどとは思わないことだと・・・。
投稿: ぱく | 2012-02-10 00:07
私は、自然の多くは恵みだと思いますが、まれには人に牙をむくことがあります。
雪害、風水害、土砂災害、地震、津波・・・・、等々。非日常的な事態です。
そういう時に、「戦う」のではなくて、「身をかわし、くぐり抜けて」対応したいと思います。
山里で暮らし、自然の中で生きる恵みを感じ、また、自然と共に生きてきた近隣の人たちから受ける恵みを感じてきました。山里で、感謝することの多い日々を過ごしてきました。自然は、敵ではないし、戦う相手でもない、と思っています。
自然の脅威は、生きていく中で、ごくまれに遭遇する非日常的な事態だと割り切るしかないようです。
私も家族も大丈夫です。正面から自然と戦うようなことはせずに、「身をかわし、くぐり抜けて」いきますから。今、守りの基本は焚き物とスコップです。(一滴)
投稿: 一滴 | 2012-02-10 16:20
やはり、スコップが基本なのですね?
今年ほどの雪には、雪掻きマシーンなどでは太刀打ちできないのでしょうか。
来年はおそらく山里近くで暮らしている予定ですが、実は今からおそれています。これはたいへんな決断をしたんだと…
覚悟がいりそうです。
焚き物とは、お食事のことですか?
投稿: ぱく | 2012-02-12 04:24
車庫前の雪は除雪機で吹き飛ばしています。いろいろ試しましたが、知人から貰ったホンダ製の小型除雪機が使いやすく、重宝しています(中型・大型の除雪機は馬力はありますが、小型機は小回りもきくし扱いも容易です)。除雪機が入れない場所や、凍りついて固くなった雪はスコップでどかしています。状況によっては「スノーダンプ」を使ったりもしますが、山里暮らしでは、スコップのほうが使用頻度が高いです。
焚き物は薪ストーブに使っていて、これは、どんな暖房器具よりパワーがあり、役立っています。大震災後の停電のときも、薪ストーブのおかげで暖をとることが出来て助かりました。台所にガスコンロもありますが、お湯を沸かしたり、煮込み料理を作ったりするときは、薪ストーブが活躍しています。薪は、正規に買うと高いらしいので、家のまわりの倒木をチェーンソーで切って乾かしたり、大工さんや製材所から端材を譲ってもらったりして使っています。
投稿: 一滴 | 2012-02-13 17:51
なるほど、小型のマシーンがいいのですね。
そして、まきストーブは必需品ですね。
静かな雪の夜が楽しみでもあり、厳しい冬が恐ろしくもあります。それでも遠い昔の記憶の中の、雪が降る音(イメージ)が何とも切なく思い出されるのです。
投稿: ぱく | 2012-02-15 00:57