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有害な支持率調査

鳩山由紀夫氏の評価を、なぜ今ごろ書くのか、なぜそのとき書かなかったのかと言われそうですが、私には、政治家の見解をすぐに評価するような能力はありません。総合的に考えればこのように思うと、後から言えるだけです。

たぶん、大部分の人はそうでしょう。
リアルタイムで内閣や政党の支持率を出すのは意味がないし、意味がないどころか有害です。
政治的見解や政治家の判断についてすぐに正当な評価を下せる人なんて、ほとんどいません。もちろん私もできません。そんな能力があるなら私は政治家か評論家を目ざします。
大多数の人は、なんとなくイメージで語っているだけです。一般の人の一時的で主観的なイメージを訊ねて人気投票みたいに支持率を調査し、発表することに、なんの意味があるのでしょう。芸能人じゃあるまいし。そんなことに未来を委ねていいのでしょうか。

リアルタイムの支持率がこまめに公表されれば、政治は劇場化し、政治家は大衆迎合型、または大衆煽動型になるだけです。
うまく大衆に迎合する人、世論を誘導する人、煽動する人が支持され、人気者になるのです。政権交代以前、与党にそういう人がいました。そういう人物に追従する人たちを圧勝させた結果、その後の日本がどれほどひどいことになったのか、はっきり検証すべきです。

支持率ばかり気にしていたら、政治家は、「今この政策を実施すれば国民の不評を買うだろうが、将来のことを考えれば実施すべきだ」というふうに動けません。
たとえて言えば、タイタニック号が氷山に向かっているのに操舵士は舵を切れない、という事態です。

「なんで舵を切るんだ。今、舵を切られたら経済活動にマイナスの影響が出る。庶民の暮らしが圧迫される。やめてくれー。えっ、氷山?そんなの政府がなんとかしてくれるだろう。そんなことより、こっちは日々の生活がかかってるんだ。舵を切るな!」
ドッカーン!

1000兆円にせまろうとする借金をかかえ、日本は沈没、となるのでしょうか。

(今回もまた政治経済ネタになってしまいました。すみません。)
(伊藤)

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