「サウンド・オブ・ミュージック」
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
正月はゆっくり休もうと思っていたのですが、元旦から大雪。しかも小さな子どもが3人いる暮らしですから、なかなかゆっくり休養というわけにはいきませんでした。
でも、まあ、母も退院して来たし、私は少し本を読んだり、妻と映画のビデオを観たりする時間が取れました。
やっと観たビデオ「サウンド・オブ・ミュージック」(1964年公開の映画)。
有名な作品ですが、これまで全体を通して観たことがなかったのです。
舞台は1930年代、オーストリアのザルツベルグ。音楽の都です。
修道女志願者のマリアは、修道院長の指示でトラップ大佐の子どもたちの家庭教師になります。トラップ夫人は亡くなっており、大佐には7人の子どもがいました。
前半はけっこう笑えます。有名な「ドレミの歌」や「エーデルワイス」はこの映画のために作られた歌だそうです。
なかなかの映画でした。
はじめて知ったことがいくつかあります。
その一つ。マリアさんやトラップ大佐や7人の子どもたちは、実在の人物をモデルにしている、ということ。マリアさん自身の手による自叙伝も出ているそうです。もっとも、事実と映画はだいぶ違うようですが。
もう一つ。日本の音楽教科書にも出てくる有名な「エーデルワイス」の歌は、実は、反ナチズムの抵抗の歌であるということ。私、映画(英語版、日本語字幕)の中で歌われるのを観てはじめて抵抗の歌だと気づきました。
エーデルワイス(私訳)
エーデルワイスよ、エーデルワイスよ、毎朝私に挨拶してくれる
小さく白く清く輝く花よ
あなたも私に会うのが楽しそう
雪が、花を咲かせ育む
とわに花咲く
エーデルワイスよ、エーデルワイスよ、我が祖国にとわに神の祝福あれ
映画用に、戦後に作られた歌ですから、本当に反ナチズムの歌として歌われたわけではないけれど、第二次大戦後20年もたたない時期に、こうした抵抗の歌が作られ、世界に広まった、というのは興味深いです。
日本語で歌われるエーデルワイスの訳詞には何通りかありますが、曲に合わせて歌う性質上、どれも、なかなかこの抵抗のニュアンスまで表せないようです。
映画では名場面が幾つもありますが、トラップ大佐に恋していることに気づいて修道院に逃げ帰ったマリアに、修道院長がこう言って諭す場面はかっこいいです。
「修道院は避難所ではありませんよ」
そして、
「人を愛したからといって、神様を愛さないということにはなりません」
さすが修道院長。
本当にこんな発言があったかどうか知りませんが、キリスト教の真髄がわかっている人でないと、こんな言葉は出てこないでしょう。私、ぐっときました。
叱り付けるのではなくて、愛情を持って諭すこの場面、もし脚本家の創作だとしたら、たいした脚本家です。
事実と映像作品の食い違いは世の常ですが、では事実はどうだったのか気になります。
マリアさんの自叙伝も、ぜひ読んでみたいです。(伊藤)
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