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ウイルス進化説

「ウイルス進化説」という進化説があります。
ウィルスが進化していく話ではなく、ウィルスの感染によって感染した生物のほうが進化していくとする説です。
もちろん主流意見ではありません。進化論の中の異説の中の1つですが、興味深い説です。

ウィキペディア日本語版によると、
ウイルス進化説は、「自然淘汰による進化を否定し、進化はウイルスの感染によって起こると主張」するのだそうです。
「ウイルスによって運ばれた遺伝子がある生物の遺伝子の中に入り込み、変化させることによって進化が起きるとする。 (中略)「進化はウイルスによる伝染病」ととらえ、適応進化を否定する」とのことです(2009年11月6日現在)。

今の世の中、大多数の人は、ウィルスを悪者みたいに考えているようですが、もしこの「ウイルス進化説」が本当なら、ウィルスがなければ進化もなかった、人類の誕生もなかった、ということになります。

私、20代のとき、ある神父さんと話をする機会がありました。
神父さんは、
「神がすべてを創造し、すべてをよしとされたというのがキリスト教の考えです」
とおっしゃるから、私、ちょっと意地悪な質問をしてみました。
「では、病原菌やウィルスも神が創造し、よいものとされたのでしょうか?」
神父さんは答えました。
「人間は病原菌やウィルスのすべてを知りつくしているわけではありません。ある面、病原体であったとしても、別の面で、この地上で必要な働き、なくてはならない働きをしているのかもしれませんよ」
私の意地悪な質問に別に怒りもせず、笑いながら答えてくれました。

「ウイルス進化説」の是非を論ずる能力は、私にはありません。
ただ、この「ウイルス進化説」の話を聞いたとき、私は、上に書いた神父さんとの会話を思い出したのです。進化に限りませんが、もしかするとウィルスは、この地上で必要な働き、なくてはならない働きをしているのかもしれません。

いったい、自然界に「不要なもの」があるのでしょうか。
自然界に存在すること自体、存在する意味があるから存在しているのでしょう。

人間が自分たちの都合である種の存在を悪と決めつけ、不要とし、根絶をはかるなら、自然界のバランスが崩れ、最終的には人間の存在自体が危うくされるのではないか、そんなふうに思えてならないのです。(伊藤)

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