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カメラの話、その後

またカメラの話です。興味のない方はごめんなさい。

1980年だったと思いますが、高校生のときにオリンパスの一眼レフを買いました。それまでずっとオリンパスだったから、迷わずオリンパスを選びました。

その後も、もっぱらオリンパスでした。福祉学部を卒業して就職し、自由になるお金が少し貯まって、オリンパスの一眼レフをもう1台買いました。この2台のオリンパスは、あちこちに持ち歩きました。私と共に旅したカメラです。
オリンパスのOMズイコーというレンズは、扱いやすいし、写りがシャープで、気に入っていました。
今、OMシリーズは生産中止で、これまで集めたOMズイコーレンズが使えるカメラは、現行の機種にありません。今持っているカメラが壊れて修理不能になったら、現行機種とはマウント(レンズの差込口の形状)が違うので、持っているレンズは使い道がなくなります。若い頃から、倹約して少しずつ買いそろえたレンズが使えなくなってしまうのです。オリンパスだけではないけれど、カメラメーカーはそうやって、高価な製品を買ってくれた古くからのユーザーを切り捨ててゆきます。

一眼レフを使い始めたばかりの人は驚くのですが、メーカーによってそれぞれのマウントがあり、レンズの差込口が違っています。一部の例外はありますが、一般に、他社のレンズは使えません。同じメーカーでも、年代やシリーズでマウントが違い、レンズの互換性がないこともあります。なんでそんな不合理なことをするのかと思うのですが、レンズ交換式のカメラとはそういうものです。

1990年代になり、バブルの勢いもあってニコンFM2を買いました。当時、F3が名機とされていましたが、電子制御のシャッターよりも、機械式のFM2にひかれました。黒色のボディーのものを買ったのは、銀色のメッキより黒がかっこいいというイメージがあったからです。戦地での撮影はないと思いますが、野生動物の撮影などには目立たなくていいと思います。ただ、天気のいい日だと、黒いボディーがけっこう熱くなるんですよ。黒色はいいことばかりではありません。

カメラはメーカーによってそれぞれクセがありますが、ニコンの逆ネジはどうかと思います。今さら直せないのでしょうが、レンズを交換するときに、右回しでゆるみ、左回しで締まる逆ネジは、あんまりですよ。水道の蛇口だってボルトナットだって何だって、左に回せばゆるんで右に回せば締まるのは世界のネジの常識です。10年以上ニコンを使っていますが、今もってレンズ交換に手間どっています(私のオリンパスとか、たまに父から借りてくるミノルタは、テキパキとレンズの交換ができるのに)。
でも、ニコンがマウントを変えないのは感心です。先日、工事写真をデジタルで撮る必要があって、知人からニコンのデジタル一眼レフを借りたのですが、1980~90年代のAiニッコールレンズがそのまま使えました。
さすがはニコン。1959年の初代Fから最新のデジタル一眼レフまで、マウントを変えていないのです。これほど一貫性を守っている大手の国産カメラはニコンだけです。逆に言うと、ニコン以外の大手国産カメラメーカーはみな、ユーザーを裏切ってきたと言えます。

ちなみに、
一眼レフのレンズのちりや汚れを取ってもらったら1万5千円。
オリンパスOM-1をオーバーホールに出したら、何と3万5千円(ひえー)。シャッター速度の誤差や内臓露出計の誤差もすべて調整され、内部のミラーの銀の剥落まで修復されていて、びっくりするほどきれいになって帰って来ました。ミラーの経年劣化なんて修復不能だと思ってあきらめていたんですが、ミラーをはずしてもう一度銀を焼きつけたようで、修理痕もほとんどわかりません。修理業者の職人技にびっくりです。
従姉妹の形見の初代オリンパス・ペンのオーバーホールは1万5千円。中古屋でもっと安く売っているのでしょうが、形見ですから、金銭の問題ではありません。

機械式カメラを維持するのは、それなりにお金がかかります。でも、目まぐるしく変化するデジタルカメラを追いかけるより、トータルで考えたら安いのかもしれません。(伊藤)

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