田舎暮らしの近況
春はやることが特に多くて、すっかりご無沙汰してました。山里は山菜のシーズンになりました。
小さな集落にいるのでいろいろ頼まれます。
引越して来たばかりの人間が地区の委員になっていいのかと思ったりもしましたが、頼まれるというのは集落の一員として受け入れてもらっているということでしょうから、ありがたく受けることにしました。
余計なことは言いません。まず地域を知り、地域に慣れることが大事だと思うので、頼まれたことはこなし、あとはもっぱら聞き役です。
去年から子ども会の育成委員をしています。子どもが少ない地域なので、当面続くと思います。今年は交通安全協会の担当も頼まれました。それと小学校のPTAの役員になりました。いずれもボランティアで、無報酬です。
やることは増えますが、めんどうが増えるという感じではありません。職業以外のことをやるのはいい経験になりますし、人づきあいも広がります。これは田舎だから出来ることだと思います。都市部の殺人的な長時間労働や多忙なのに孤独になる人間関係の稀薄さとは、事情が違います。
わが家は舗装道路に面しておらず、山の畑沿いの道を徒歩で100メートルくらい入った所にありますが、こういう場所には、変なセールスや新聞や保険の勧誘やエホバの証人も来ませんから、せいせいしてます。
4月6日、次男が小学校に入学しました。
迷ったんですが、朝から娘を知人宅に預け、妻と2人で入学式に出席しました。
2年前の長男の入学のときは礼服にカンジキ姿で雪を超えて行ったのですが、今年は雪が少なく、雪より泥に気をつけて歩きました。もうツクシや甘草やヨモギも生えていて、すっかり春めいていました。それにしても、礼装で山道を歩くというのは変な感じでした。
このあたりの入学式は、ほとんど両親出席で、しかも女性は和服が多いです。新入生は13名。全校児童は80人代になりました。来賓が30人くらい来ておられ、新入児童の倍以上でした。
地方でも少子化は止まりません。それでも、田舎の子はいきいきしていて、元気がいいです。
朝日新聞(都市部ではたぶん夕刊)に連載中の小説「愛しの座敷わらし」、おもしろいですね。自分も家族で山里の古民家に越してきたので、やはりそうなるのか、という感じです。夫婦のやりとりなど、ふき出してしまいました。
わが家は、座敷童は出たことがないんですが、家の近く(たまには家の中)にネズミやムカデやヘビが出て、妻が悲鳴をあげます。
「えっ、ネズミ? かわいいね。お目目がクリクリだし。ぐりとぐらのお友だちだよ」なんて、私は平気です。ネズミは野ねずみのようで、家に居ついているようではなく、たまに寄って石鹸をかじっていく程度です。無添加のシャボン玉石鹸とふつうの花王石鹸が置いてあると、シャボン玉石鹸をかじります。無添加の方がうまいのでしょう。
従姉妹の形見となったカメラがオーバーホールからかえって来ました。1960年頃のカメラがちゃんと整備され、新品ではないけれど、動きは新品のようにスムーズで外観もそれなりにきれいになって戻って来ました。さすが、カメラのキタムラ。さっそく使おうと思い、白黒フィルムを買いました。小型のストロボやストロボシューに取り付けられる露出計も欲しくなってきましたが、それなりの値段なのでまた後日にします。
それにしても、今のデジタルカメラが40年以上後に形見として残るんだろうか、整備して、現役で使えるようになるんだろうかと思います。40年どころか、10数年後でも怪しいです。だって1990年代なかばのデジタルカメラも、パソコンも、プリンターも、当時相当の値段で売買されたものが今では使い物になりません。
技術がどんどん「進歩」して簡単に過去を切り捨てるようになり、物が短命になりました。1960~80年代の機械式カメラは、何の問題もなく今も現役で使え、次の人に受け継がれてゆくのに。(伊藤)
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