形見のカメラ
従姉妹が病気で急死しました。まだ50代でした。
私も人間ですから、単に悲しいというだけでなく、喪失感が大きいです。
思えば最初にカメラを教えてくれたのも、この従姉妹でした。当時、私は小学生で従姉妹は20代。従姉妹は祖母(私にとっても祖母)と2人、小さな家につつましく暮していました。私には優しいお姉さんでした。
1970年代の初め、従姉妹はがんばって本格的なニコンの一眼レフを買い、私に小さなカメラをくれました。それは初期のオリンパス・ペンでした。1960年前後に生産されたカメラです。当時の私にはその価値がわからなかったのですが、今でも評価されるカメラです。従姉妹は若いときから、ものを見抜いて選ぶ目があったのだと思います。
私のカメラとのつきあいはここから始まりました。
久しぶりにこのカメラを取り出し、拭いてきれいにしました。
構えてファインダーをのぞいたら、涙が出てきました。
オーバーホールに出すことにしました。たぶん買うより高いでしょうけれど、いいんです。私なりの供養のひとつですから。
(ここ何度かカメラの話を書いていますが、こんな話になるとは・・・・・)(伊藤)
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