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熊出没!

自宅の裏に熊が出ました。姿を見たわけではありませんが、明らかな痕跡がありました。家から数十メートルの所でした。
11月3日、外で子どもたちが騒いで「熊のウンチ、熊のウンチ」と大声を出しているので、どうせまたふざけているのだろうと思いながら行ってみたら、近所の農家の人たちも来ており、本当でした。
自宅に裏に近所の家のリンゴ畑があるのですが、リンゴの木の枝が折られ、食い荒らされ、幹に鋭い爪のあとが残っていました。リンゴの木の下には、子どもたちが言うように、でっかいウンチがありました。まだ新しい感じで、夜のうちに来たのでしょう。
「こんなに近くまで熊が来たのは初めてだ」と農家の人も驚いていました。

交通事故に比べれば、熊に襲われ死傷する事故など数百分の一とか千分の一とかでしょうけれど、家のすぐ裏まで熊が来ているのは気持のいいものではありません。
子どもたちには鈴を持たせました。今月末くらいには冬眠に入ると思うのですが、それまでは夜間なるべく外出しないようにしています。やむを得ず夜に出かけるときは、鈴、懐中電灯、おもちゃのピストル(かなり大きな音がする)などを持参しています。なるべく熊を刺激したくないのですが、万一のための備えです。

今年、町内で捕獲された熊は約40頭。山形県内全体では360頭以上で、長野県についで全国2位です(これは合法的な捕獲数で、密猟についてはわかりません)。
「捕獲」された熊は「駆除」されます。ようするに殺すのです。絶滅のおそれもあるという野生動物をそんなに殺すのはどうかと思うのですが、農作物の被害や人身の被害を防ぐためにやむを得ない、というのが駆除する側の言い分なのでしょう。

熊は、なにも悪くありません。人間が開発を進め、ブナの森を切り開いて杉を植え(しかもその杉はろくに手入れもせず放置)、必要性の疑わしい道路を山奥まで通し、ダムを造り、熊の居場所をせばめてしまったのです。しかも今、山間部は過疎化が進み、人が少なくなりました。我が家はともかく、山から木を得て煮炊きや暖房に使う家はほとんどありません。里山は荒れ、休耕地も増え、自然林との境界がはっきりしなくなってきました。熊にしてみれば、自然の中を歩いているつもりが突然里に出てしまうわけです。そうしたら、うまい食べ物がいろいろあり、だんだんに危険を冒して出てくるようになったのではないでしょうか。それでワナをしかけられたり撃たれたりしたんじゃあ、たまったものではありません。私は熊に同情します。

人間も自然界の一員であり、自然の調和の中に生きています。目先のことで調和を乱せば、やがて自分たちの首をしめることになります。野生動物が住みにくい日本は、人も住みにくい日本になるだろうと思います。(伊藤)

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