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『「神様」のいる家で育ちました』

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菊池真理子『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』(文藝春秋)を読んでいます。電子版もありますが紙の本で読んでいます。
漫画です。内容は、かなり、シリアスです。考えさせられます。

それぞれの話を、紙でじっくり読みたい作品です。


宗教団体の名前は出てきませんが、常識的に考えて、次の通りです。

第1話 ものみの塔(エホバの証人)
第2話 崇教眞光
第3話 統一協会(統一教会)
第4話 プロテスタントの一派
第5話 幸福の科学
第6話 真如苑
第7話 創価学会

これら7つの宗教団体は、それぞれ、「私たちは正しい教えを伝えているのです」って言いそうです。


文藝春秋のサイトにこうあります。

引用開始

7人の“宗教2世”の半生を描き、SNSで話題になったノンフィクションコミックが、連載中断を経て文藝春秋から刊行!

2022年10月6日に、7人の“宗教2世”の半生を描いた菊池真理子さんのノンフィクションコミック『「神様」のいる家で育ちました ~宗教2世な私たち~』が刊行されます。

『「神様」のいる家で育ちました ~宗教2世な私たち~』は、著者含む、7人の宗教2世たちの半生をマンガ化した作品です。

 集英社のウェブメディアで連載していた本作は、編集部の判断により連載が中断され、削除されていましたが、作者の元に寄せられた「終わらせないで」という声に支えられ、10月6日に単行本として発売されます。連載中に発表された原稿に加えて、未発表作、描き下ろし計45ページを収録します。

引用終了

https://books.bunshun.jp/sp/kamisamanoiruie

集英社って名前まで出しちゃった。
インターネットの「よみタイ」で連載中、宗教団体から抗議され、その話だけでなくそれ以前の作品も非公開になったんです。

よみタイ編集部の見解はこちら
https://yomitai.jp/series/kamisama/

もし、明らかに不適切な内容だから集英社として取り下げるというのなら、なんで文藝春秋は出せるのですか?

・・・・・・・・・・

読み始めたばかりで、本書の問いに自分ならどう答えるのか、逡巡しています。


キリスト教系では、ものみの塔、プロテスタント教会、統一協会が出てきます。同列に並べるなと言われそうです。(モルモン教は入っていません。)

第4話は「福音派」かな、と思ったんですが、断定はできません。
どの教派でもありそうな話なので、別にどこでもいいのでしょうが、聖書オタク・キリスト教オタクの私は教派が気になります。

バプテスマ(洗礼)の場面が全身を水に沈める浸礼で描かれていますが、浸礼だからといって、それだけで教派の断定はできません。バプテスト派以外でも浸礼は行なわれています。
讃美歌という言葉が出てきます。一般に福音派は聖歌って言ってますけど。それに、洗礼式での歌、「讃美歌199番」(日本基督教団出版局「讃美歌」1954年版)ですね。他の歌集にも同じ歌があるのかな? 日本基督教団以外でも「讃美歌」1954年版を使ってきた教会があるので、これも、教派の断定になりません。
空中携挙みたいな話が出てくるんで、どうも、再臨信仰を強調する教派のようです。ホーリネス系? あるいは聖霊派?

(ちなみにパウロの「携挙」論は、神話的な世界観の中で生きていた古代人の神話的な表現です。古代人の神話的な表現から、それがいつ実現するのかなどと議論しても意味のない話です。)

特に気になったのはこのセリフです。

引用開始

福音を
信じた者は
天国に

信じない者は
地獄に

福音の存在を
知らん者は
死後に選ぶ時間を
与えられる・・・

じゃったら
私もそっちが
よかったわ

引用終了

キリストの地獄下り(陰府への降下)の話?
正教会?

プロテスタントですよね。
福音派が「福音の存在を知らん者は死後に選ぶ時間を与えられる」なんて言うのかな?
セカンドチャンス論の教会? だったら「讃美歌」1954年版を使うんだろうか?

ますます教派がわからなくなりました。

もしかして、複数の教会の話をミックスした話?

第4話の読後感は悪くないです。
最後は自己決定です。
文字の奴隷になれと聖書は教えていないし、教派により教会により牧師により言うことはバラバラ。
最後は自己決定です。それでいいんです。

7人の宗教2世の共通点は、親の信仰によって苦しめられた、ということです。
全員がそうだとは言いませんが、信仰を持つことによって、自分も家族も幸せから離れていくこともあるんです。
しかも2世に生まれれば、最初から宗教のレールが敷かれています。
野中花子氏の証しとも共通します。

(伊藤一滴)

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