安倍晋三氏の死に思う4 統一協会とのつながりで狙われたのです
前にも書きましたが、大きな事件が起きると毎回のように「犯人は外国人」だとか、ネットに垂れ流す人たちがいます。
その時点で警察も突き止めていない犯人の民族や国籍がどうしてその人にすぐに分かるのか不思議です。勝手に作った見当違いの話をネットに流し、後から間違いだとわかっても訂正も謝罪もありません。差別を煽る悪質なデマです。
今回の安倍晋三氏銃撃事件で、容疑者は元海上自衛隊員だとすぐ報じられたのは、「犯人は外国人」といったデマの拡散防止の意味もあったのかと思います。
動機についてもデマが語られました。「安倍元首相の政治信条に対する恨みではない」と報じられても、次のように言う人たちがいました。
1「言論を暴力で封じる凶行であり、民主主義への挑戦だ」
2「安倍晋三氏を非難し続けた野党や市民団体の影響を受けた人が犯行に及んだのだろう」
3「モリカケ桜その他を隠蔽し続けた安倍晋三氏への怒りによる犯行だろう」
保守系に2の主張が、リベラル系に3の主張がありました。1は両者共に言っていました。でも、実はどれでもなくて、宗教団体への怒りが安倍晋三氏に向かったようです。(※)
宗教団体は統一協会(世界平和統一家庭連合)です。海外では団体の名前が出ていたのに、参院選の直前であるためか、日本のほとんどの報道機関はすぐに名前を出しませんでした。犯行翌日の7月9日に宗教団体の名前を出していたのは、「現代ビジネス」や「SmartFLASH」など、わずかでした。
もし、多くの報道機関がすぐに統一協会の名を出し、統一協会と安倍氏のつながりを報じていたなら、選挙結果も違っていたかもしれません。
政権与党から待ったがかかったのでしょうか、それともマスコミの自主規制(つまり忖度)でしょうか。
統一協会と安倍氏につながりがあるというのは容疑者の「一方的な思い込み」とする報道がありました。識者の中には、統一協会と安倍氏のつながりは「妄想」とまで言う人がいました。聞いた人は、何のつながりもないのに容疑者が勝手に思い込んだと思ったことでしょう。
前回書いた通り、両者に深いつながりがあったのは明白です。
安倍晋三氏は、韓国のカルト的な新興宗教と深いつながりを持っていました。全国霊感商法対策弁護士連絡会から複数回の質問や抗議を受けても無視していました。
安倍応援団には韓国嫌いの人がかなりいるようですが、どう答えるのでしょう。
私自身は、決してテロを容認はしませんが、「安倍氏が殺害されたのは自業自得だ」「因果応報だ」と言う人たちの気持ちもわかるのです。
安倍応援団はどう答えるのでしょう。
特に、「犯人は韓国人に違いない」などと言っていた人たちは、どう答えるのでしょう。
安倍応援団が言いそうなのは、「安倍さんは知らずに利用されたのだ」といった答えにならない答えです。
祖父の代からの付き合いを、安倍氏が知らなかったはずはありません。
弁護士団体からも複数回の質問や抗議があったのです。統一協会の金銭問題や霊感商法など、安倍氏本人も部下たちもまったく知らず、何の報告もなかったなんてありえません。
(伊藤一滴)
※
結果はともかく、犯行の動機として、
言論を暴力で封じることが目的だったのではない。
まったく影響はなかったと断定はできないにしても、犯人は、
安倍晋三氏を非難し続けた野党や市民団体の影響で犯行に及んだのではない。
モリカケ桜その他への怒りがまったくなかったとは言えないにしても、それが主たる動機ではない。
付記
山上徹也さんに対し、可能な限りの減刑を望みます。
彼の生い立ちを読めば読むほど気の毒でなりません。
統一協会の問題を世に明らかにし、協会の違法行為は法に従って裁くべきです。
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