ギリシャ文字の覚え方と書き方
加筆修正しましたので、こちらをご覧ください。(2024.2.6)
http://yamazato.ic-blog.jp/home/2024/02/post-9d56.html
1.ギリシャ文字の覚え方
ギリシャ文字の覚え方はいろいろあるのでしょうが、お馴染みのラテン文字(英語などで使われるアルファベット)との対応で覚えると、覚えやすいと思います。
(こちらを参照して並べました https://palladi.blogspot.com/2015/04/blog-post_22.html)
ギリシャ文字(ギと略記)
ラテン文字(ラと略記)
ギリシャ文字の小文字とラテン文字の大文字を並べると
ギ αβγδε・(Fなし)
ラ ABCDEF
ギ ζηθ(~タ系)
ラ GH・
ギ ι・κλμν(Jなし)
ラ IJKLMN
ギ ξ
ラ ・
ギ οπ・ρστυ(Qなし)
ラ OPQRSTU
ギ φ・χψω(Wなし)
ラ VWXYZ
(単に文字を覚えるための暗記法です。厳密な言語学の話ではありません。こじつけもあるので、そのつもりでお読みください。)
ラテン文字の F J Q W が、ギリシャ文字では欠番で、
ギリシャ文字の θとξ がラテン文字では欠番です。
θは角度の記号などで見ますが、ξはくせ者です。くせ者だから、くせー。こじつけですが。
ζηθと、~タ系が並ぶので、θは忘れないと思いますが、ξを飛ばさないよう要注意です。
ξはくせ者!
ギリシャ文字のγは英語のGに当たりますが、英語のCとGは無声音か有声音かの違いで、口の形はほぼ同じということで、γにCを対応させます。文字の歴史としてはGはCを少し変えて作った字だそうです。
ラテン文字のFが欠番になりますが、言語によってはFとVが同様の音になるので2つはいらないと考えます。
ギリシャ文字のζとラテン文字のGは違うのですが、どちらも濁る音ということで、ここに置いて対応させます。順番を崩さない方が覚えやすいので、順番を優先します。
ラテン文字のJは昔はなくて、Iの下が曲がって出来た文字だそうです。
ラテン文字のQも、CやKと同様の音になるのでいくつもいらないと考えます。
Wも、Vを2つ重ねて出来た文字だそうです。
ギリシャ文字のφは英語のFに当たりますが、言語によってはFとVが同様の音になるのでφとVが対応。
ギリシャ文字のψとラテン文字のYはまったく違うと言われそうですが、なんとなく形が似ているのでこじつけて対応。
ギリシャ文字のωとラテン文字のZも全然違いますが、最後の文字ということで対応。「AからZまで」も「アルファからオメガまで」も、意味は同じということで、対応させます。そのへんは、まあ、ご愛敬で。
2.ギリシャ文字の書き方
大文字 ΑΒΓΔΕΖΗΘΙΚΛΜΝΞΟΠΡΣΤΥΦΧΨΩ
小文字 αβγδεζηθικλμνξοπρστυφχψω
ギリシャ文字に筆順の決まりはないそうです。
「ギリシャ文字の筆順」というものが本に書いてあったり、ネット上にあったりしますが、たぶん、非ギリシャ人が書いたのでしょう。ギリシャ語を母語とする人たちは筆順を気にしていないとのことです。
筆順の例は、真理子さんのホームページをご覧ください。これは、ギリシャ国内でも統一されていないという筆順の中のほんの一例です。
https://www.babelbible.net/lang/lang.cgi?doc=gr_scrpt&lang=gr
私が特に書きにくいと思ったのはζとξです。
日本語の文字もそうですが、文字は読めれば活字の通りでなくてもいいのです。
ζは「ろ」をつぶしたようにも書けます。漢字の「了」の手書き字とも似てます。
ξは、本当にくせ者です。活字をまねると書きにくいです。「3」を左右逆に書き、下を曲げても読める字になりますし、「っ」の下にくっつけて「了」と書いてもそれっぽくなります。
詳しくは、真理子さんのホームページで。(なお、真理子さんは現代語の発音をもとに書いておられるようです。多くの入門書に載っている古典式の発音と少し違います。)
(伊藤一滴)
コメント