豪雨災害その後
雨が上がってからふもとに下りてみたら、途中もふもとの集落も、あちこちで土砂崩れが起きていました。ずっと雨続きで地盤がゆるんでいたのでしょう。
川はカフェオーレのような色で、あふれそうになっていました。
私の家は山の中の古民家で、おとなりの家と百メートル以上離れた一軒家です。
家の近くの道で土砂崩れがあって、迂回しないと家に行けなくなっていたのですが、役場に言ったら、その道は農道で、区(町内会)が管理することになっているというのです。それで区長(町内会長)さんに相談したらすぐ見に来てくれて、臨時の会合が開かれ、急遽、道普請ということになって、集落の人たちがスコップやツルハシを持って集まってくれました。当然、私も出て、みんなで崩れた土砂を撤去して、数時間で通れるようになりました。
集落の人力のパワーはすごいですね。
お金をかけて建設会社を呼ぶよりみんなでやろう、みたいな。
こうして、山里の人たちは助け合ってきたんですね。
昔の日本はこんな感じだったのかと思います。
昔は昔でいい面も悪い面もあったのでしょうが、いい面も多かったろうと思います。
山里の暮らしは、街の暮らしとはまるで違います。これが同じ現代の日本なんだろうかと、驚くこともあります。
便利な暮らしかどうかと言えば、街も駅も遠いし近くに店もありませんから、決して便利とは言えません。でも周りは豊かな大自然で、広々とした中で心を癒されますし、住民は互いに協力し合っています。
いったいどっちが暮らしやすいのかと思います。
山里暮らしは、万人向きではないのでしょうが、私の理想の生活に近いのです。
理想は、読書、対話、沈黙、思索、祈り、学び、労働(協同作業)・・・・のある、大自然の中の暮らしです(なんか、修道院みたいですが)。
(伊藤一滴)
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