暴力の連鎖を断ち切らないと
スリランカの爆破事件を報じたBBCニュース日本語版にこうあります(2019年04月22日付)。
引用開始
コロンボ司教区の大司教が、政府に徹底した調査を求めると共に、国民には報復行為を慎むよう呼びかけた。
引用終了 出典:https://www.bbc.com/japanese/video-48008853
この見解を、日本のメディアの報道では見ていません。
この時点ではまだ被害の全体像もわからず、犯人が何者かもわかっていませんでしたが、現地のキリスト教の大司教は、報復行為を慎むよう呼びかけた、というのです。
これが本当のキリスト教精神でしょう。
キリスト教徒は歴史の中で多くの過ちを犯してきました。イスラムの人たちにも、ずいぶんひどいことをしてきたし、今も、それは終わっていません。でもそれはイエスの福音からの逸脱です。
この事件がもし、ニュージーランドで起きたモスク襲撃事件の報復だとしたら、イスラム教への偏見による暴力が、別の場所で、さらに大きな暴力を招いたことになります。
スリランカのキリスト教徒とは関係ないのに。
報復しないことで、暴力の連鎖を断ち切らないと。
犯行グループがイスラム過激派であったとしても、それはごく一部の狂信的な人たちの、本来の宗教の精神に反する活動です。一般のイスラム教徒は無関係です。
モスク襲撃事件のときも、私は、つらい思いで祈っていました。
今回も、祈ります。
亡くなられた人たちとそのご遺族のため、負傷された人たちとご家族、関係者の方々のため、心に傷を負った人たちのために、心から祈ります。
また、犯行グループとその支持者が、自分たちの誤りに気付きますように。
そして、厳しい道であっても、諸宗教・諸民族が和解へ向かって進んでゆくことができますように。
(一滴)
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