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いよいよ歴史の分水嶺

戦後70年経っても、戦勝国の軍隊が駐屯し続けるというのは、考えてみれば異常なことですが、異常が日常になってしまっている今の日本で、多くの人はそれが異常なことだとは思わずにいます。日本に米軍基地があり、アメリカ兵が常駐し、米軍はどこまでも厚遇されて、沖縄の人たちは踏みにじられる、それが日常なのに。

日本政府は、これまでほとんどの分野でアメリカの言いなりでした。戦後の日本は真の独立国とは言えません。属国、精神的占領状態、精神的植民地状態と言われても仕方ありません。

日本の誇りを取り戻したいと言う人たちは、日本の真の独立は取り戻したくないのでしょうか。今後もずっとアメリカの属国のような状態のままでいいのでしょうか。

ほとんどの分野でアメリカに逆らえない日本政府ですが、直接的な軍事協力だけは、正面からはしてきませんでした。それは出来ないと言い続けてきました。この分野だけは、日本は独立国として自立した立場にあったとも言えます。

それが今、崩れようとしています。愛国のような顔をしたアメリカのポチたちが国会で相当な力を持っていて、日本の法秩序をなし崩しにしようとしています。日本をますます属国化させる気でしょうか。それともこのポチは巨大化し、やがて主人に噛みつく日が来るのでしょうか。

平和と安全を守る? 冗談でしょう。向かう方向が正反対です。

いよいよ日本は歴史の分水嶺に来ました。日本の民の力が試されています。

これまでの例からも、広く合意を得ずに政府が強引なことをすれば、いつまでも批判を受けることになります。合意どころか、戦争法案は憲法違反の可能性が極めて高く、法律論としての整合性も確保されていません。

国民を守るためなら命をかける覚悟の自衛隊員でも、日本が攻撃されてもいないのに「存立危機事態」という口実で「参戦」させられるのでは、たまったものではありません。

もし法案がこのままの形で通れば、「反対」の幟旗が立ち並ぶ中を罵声を浴びながら自衛隊が出陣することになるのでしょう。当然、士気も下がるでしょうし、精神を病む隊員も出るかもしれません。気の毒です。そして、本当に本土を防衛しないといけないという事態になったときに、士気の下がった自衛隊が命がけで戦えるのでしょうか。

(伊藤一滴)

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