「農山村ブーム」と言うけれど
「農山村ブーム」と言うけれど、実際に農山村に移住できるのは、資金や学歴や資格のある人に限られているのではないか、という指摘がありました。
資金がなければ、農山村に土地や建物を買うこともできない。
学歴や資格がなければ、もし農業や林業などがうまくいかない場合に他の手段で生活費を稼ぐこともできない。
結局、農山村に移住して第一次産業に就くというのは、資金があり、かつ、いざとなったら他の仕事で稼ぐ自信のある人だけにできることではないか、というご指摘です。
痛いところを突かれました。
私の場合は、あり余る資金があったわけではありません。資金的にはぎりぎりでした。
それに今は、学歴や資格があっても仕事に就くのが難しい時代です。
山里の古民家に転居して就農するのは、私たち夫婦にとってかなり冒険でした。
冒険には大きな危険がともなう時代です。
冒険に失敗したらどん底に落ちてしまうかもしれないという不安があります。多くの人は冒険をためらいます。そして、今いる職場などの、自分の所属にしがみつこうとします。
「家族を人質に取られているようだ」という新聞の投書がありました。もし今の職場を離れたら、再就職のめどもたたなければ他の収入のあてもない。今の職を失うというのは、家族を養うのが不可能になることであり、家族は人質と同じ。だから、どんなに上司から理不尽なことを言われようがひどい扱いを受けようが、職場にしがみつくしかない。家族が人質なのだから。というのです。
ひどい話です。
私は、どうでしょう。家族を犠牲にしたのでしょうか。
収入は減りました。でも、この不況下、どっちみち収入は減ったのです。
がまんして収入が減るのと、やりたいと思うことをやって収入が減るのと、どっちがいいか。やりたいことをしたほうがいいです。1度きりの人生ですから。
生活は質素そのものですが、妻も子どもたちも山里の暮らしを楽しんでいます。(伊藤)
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