「何故私たちでなくてあなたが?」
娘(4歳)の通う保育園の行事がテレビのローカルニュースで放送されるというので、久しぶりにテレビを見ました。私たちが住んでいる山里のふもとの小さな保育園です。
保育園の先生や保護者や近所の人たちと一緒に、園児たちが楽しそうに元気いっぱい歌っている様子が放送されました。うちの娘や妻も、ちょっとですが映りました。
「あっ、いま映ったよ!」って、うちの子どもたちはテレビの画面を指差して大喜びです。
そのままテレビを見ていたら全国のニュースになり、今度は、あいつぐ虐待死の報道でした。
同じくらいの年の子が、一方では近所の人たちと一緒になってあんなに楽しそうに歌っていて、一方では虐待されて殺されている、この、同じ日本で。
私は、前田美恵子(=神谷美恵子)さんの言葉を思うのです。
「何故私たちでなくてあなたが?
あなたは代わって下さったのだ」
運命がちょっとずれれば、誰がどうなるかわかりません。自分たちは関係ないと思えないのです。
人を育み、癒すのは、結局は他の人との関係だったり自然環境だったりするわけで、お金や電子制御機器で幸福を得られるのではないと、私は山里暮らしで思い知りました。
富と幸福も比例しません。地位と幸福も比例しません。
多くの人に気づいてほしいです。
虐待した親を罰すればそれで問題が解決するわけではありません。
人と人とが切り離され、人や機械が人を追い詰める社会の不幸に気づいてほしいです。(伊藤)
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