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「僕をスキーに連れてって」

長男は何度もスキー行事があったのに、保育園児の次男はないので、行きたくてしかたがない様子でした。
「兄ちゃん、スキーに行けていいなあ。僕も行きたいなあ。パパぁ、僕をスキーに連れてって」
「パパがお休みで、時間のとれるときに連れてくよ」と言うと、カレンダーを持って来て鉛筆で何か書き始めました。見ると、日曜全部に「すきい」と書いています。だんだん字が太くなってきて、しまいには「すきいーーーーー」になってました。
よほどスキーに行きたいのだろうと思い、
「じゃあ、今度の休みの日に、パパと2人で行こうね」と、約束しました。
そしたら・・・・・、
約束の日は朝から冷たい雨。
「どうしよう?」と、妻と顔を見合わせました。
「そうねえ」空を見ながら妻が言います、「カルタでもしてあげたらどう」

次男を呼びました。
「今日は雨だから、スキーはまた今度にしようか」
次男は無言です。
私も、次男とスキーに行くつもりで予定していましたから、迷いました。
「雪ならともかく、雨だからね。スキー場も雨なら、行っても濡れるだろうし・・・・・」
次男はやはり無言。

朝食後にお茶を飲みながら、私はまだ迷っていました。
空を見ると、さっきより少し明るくなり、雨も小降りになったような気がしたので、また次男を呼びました。
「雨だけど、どうする? 行く?」
「うん!!」
そう言った次の瞬間、次男は走って自分のスキーウエアを取りに行きました。私がお茶を飲んで立とうとしたときに、もう次男はウエアに着替え、スキー板とスキー靴をかかえて玄関の方に歩いていました。
「ちょっと待ってよ。トイレにくらい行かせてくれよー」
私はさっとトイレを済ませ、急いで自分の用具を持って次男を追いかけました。

あとは、用具一式ジープに積んで、スキー場に向かって出発です。
さっきまで無言だった次男は、もうニコニコ顔で、よくしゃべります。
スキー場に着いてからも、待ったなしです。私が自分のスキー靴をはくのに手間どっているうちに、もう履き替えてゲレンデの方に行こうとします。
「ちょっと待ってよー」

悪天候にもかかわらず、けっこう、スキー客がいました。
どうしても、冬の雪国は閉ざされがちですが、スキーは雪国ならではの冬の楽しみです。
次男も去年スキーを始めたばかり。しかも今シーズンは初めてで、最初ちょっと戸惑っていましたが、すぐに感覚を思い出したようで、あとはスイスイです。
自転車と同じで、一度できるようになると、あとは忘れないそうです。
今、次男は私とほぼ同レベル。雨に濡れるのも気にせず、夢中になって滑っていました。あと何年かのうちに、私は息子たちから追い抜かれることでしょう。小学校高学年の子の親たちは、子どものスキーが速くて、ついて行けなくなると言っています。まあ、それでいいのでしょうけれど。(伊藤)

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