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日本の安全保障のために

今後ウクライナがどうなるのか、ロシアがどうなるのか、軍事や政治の専門家だってはっきり言えない状況です。もちろん私もわかりません。ただ、一刻も早く平和になってほしい、人々が平和な暮らしを取り戻してほしいと願うばかりです。

何の落ち度もない人たちが死んだり傷ついたりしている報道を、日々、読んだり見聞きしたりするのはつらいです。

日本にいる自分に何ができるのかと考えると、自分の非力さが悲しくなります。

ウクライナ国民が被害者なのはもちろんですが、ロシア兵も、一般のロシア人も被害者に思えてきました。国籍、民族にかかわらず、人道的な配慮を望みます。

ウクライナのために、ロシアの人々のために、世界のためにお祈りください。
平和のためにお祈りください。
祈って何になるのかと言われそうですが、祈ることで、その人の心がそちらに向かうのです。
そして、心が向いている方向に、人は動いてゆくのです。
一滴一滴の集まりが世の中を動かします。
どうか、お祈りください。


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ウクライナ問題については、多くの方が多くのことを語っておられるので、私は少し視点を変えて、日本の安全保障について思うことを書きます。

今回のロシア軍の侵攻があって、日本でも、憲法9条を改正して軍隊を持つべきだとか、核武装すべきだとか、言う人たちがいます。
言葉は勇ましいけれど、どうでしょう?


日本の安全保障のために特に必要なのは、

1.諸外国との対話、特に近隣諸国との対話。

2.食料と飲料水の安定的な確保。

3.エネルギー源や生活物資の確保。

こういったことだと思います。


安全保障というと、軍備増強のことだけを考える人たちがいますが、そもそも、戦争や紛争をしないための対話から安全保障が始まるのです。
今回のウクライナ侵攻のような一方的な侵略もありますから、すべて対話で解決できるとは言えませんが、まず、外交努力による対話が大原則でしょう。

軍艦も軍用機も戦車もある、各種の銃砲もある、十分な弾薬もある、だが、食料も水もない、そんな状況で、安全保障になりますか?

軍備以前の話で、まず対話によって戦争や紛争を防ぐ努力をする、それでも戦いになってしまったら、空港も港も使えなくなる可能性がありますから、国産の食料の確保が必要になります。水も必要です。衣服なら古くても着れるでしょうが、食料と水は毎日必要です。

大切なのは食糧自給率の向上と、安定的な水源の確保でしょう。

今、日本の食糧自給率はカロリーベースで4割以下です。家庭の井戸はほとんどないくらい減っているし、水道事業を民営化しようとする動きもあります。
多くの場合、一般家庭には食料や水の備蓄はほとんどないでしょう。
もし侵略されたら、食料と水なしでどうやって抵抗するのですか?

田畑を減らすのはやめるべきです。
米が余ったら、政府が妥当な価格で買い取って、それを買い取った値段より安く売ればいいだけの話です。どんどん安くすれば必ず売れます。その赤字の分は、我が国の安全保障費だと思えばいいのです。
そうやって、せめて主食だけでも安定的に確保するのです。

水源を守るために、国の費用で森林を保全し、取水場近辺の環境を保全するのです。これも安全保障費です。
水道事業の民営化はやめるべきです。たいして意味のない公共事業に予算を使うくらいなら、水道のメンテナンスに使ったほうがいいでしょう。

資源の少ない日本では原子力発電が必要と言う人もいますが、もし原子力発電所が攻撃されたらどうなるのでしょう。原子力発電所への電源の供給が止まっただけでも大事故になります。核弾頭を撃ち込まれなくとも、原発が狙われることで核攻撃を受けたようになるのでしょう。

日本の安全保障を言うのなら、脱原発を目ざすべきです。

太陽光もそうですが、風力、水力、潮力、地熱、植物油のエネルギー化、発酵によるアルコールやガスの利用、昔のような薪の利用、その他、さまざまなエネルギー源を検討し、確保しておく必要があるでしょう。

日用の生活物資も、あまりにも海外に依存しています。国産品を推奨し、確保すべきです。
今ある衣類は当面着れるにしても、やがては消耗します。国内で、綿花や麻を栽培し、羊を飼い、国産の繊維を確保できるようにするのです。補助金を出してもすべきです。
国内で必要な物資は国内で製造する、それが自立した国家ではありませんか。


防衛力はいらないなんて言いません。防衛の装備も人材も必要だと思います。
でも、安全保障のためには、軍備以前の問題で、まず上記のようなことが必要だろうと思うのです。

(伊藤一滴)

追記

上記を書いた3月16日の夜、東北地方を中心に強い地震がありました。
私の住む山里も揺れましたが、こちらは特に被害はありません。

我が国の安全を言うのなら、災害対策も必要です。これも同じだと思います。

諸外国との対話があれば、大災害のときはお互いさまで、国際的に支援し合える。
食料と飲料水の確保が必要になる。
エネルギー源や生活物資の確保が必要になる。

さらに避難所や、寒い時期であれば暖房も必要です。負傷者や病人も出るでしょうから、医療体制も必要です。

日本は地震国です。巨大地震はいつどこで起きるかわかりません。軍事面だけでなく防災面からも、原子力発電は全廃するという決断をすべきです。

軍備以前の問題で、強靭な国、自立した国であるためには、国民生活の基盤の確保がまず必要でしょう。

コメント

安全保障についてはおおむね伊藤一滴さん
のおっしゃる通りだと思います。

あと核シェルターの準備
が必要だと思います。

武装については核三原則の持ち込ませず
の部分については言及しないということ
で抑止力とする意見をみました。

東京で電力のひっ迫が起こっているよう
なので現段階で原発に頼らないと
いうのは難しいかもしれません。
人工呼吸器や医療機器とつながっている
人は大変でしょう。

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