« 2020年9月 | メイン | 2020年11月 »

状況はナチス政権と似てきた

ヒトラーは民主的なワイマール憲法下で選挙によって選ばれました。
ドイツ国民の強いヒトラー支持の声に、理性の声はかき消され、
そして、その結果は・・・・。

今の日本の状況は、ナチス政権と似てきたと思うのですが、私がそう思うだけでなく、各種の指摘にもそうあります。

たとえば、
「米山隆一氏 日本はヒトラー時代のドイツになりつつある…「本気で危惧すべき」」
https://www.daily.co.jp/gossip/2020/10/24/0013808972.shtml

大平誠「「まるで戦前戦中だ」 気に入らぬ者は飛ばして異論封じる…官僚も辟易する菅首相の強権ぶり」
https://dot.asahi.com/aera/2020102600007.html?page=1

「平野啓一郎氏 菅首相は独裁国家の権力者気取り…平然と違法行為をして開き直る」
https://www.daily.co.jp/gossip/2020/10/24/0013809483.shtml


米山隆一氏の引用からの孫引きですが、

「ナチスのヒトラーでさえも全権を掌握するには特別の法律を必要としましたが、菅総理大臣は現行憲法を読み替えて自分がヒトラーのような独裁者になろうとしているのか」(松宮孝明立命館大学大学院教授)

スガさんにはヒトラーのような魅力はない、カリスマ性がないという指摘もありますが、どうでしょう。
国会で議論もせずに勝手に法解釈を変更し、法律を骨抜きにする。(しかも過去の答弁と整合しない)
人事を掌握して官庁をコントロールし異論を封じる。
学者にまで圧力をかけて学術研究も支配下に置こうとする。(※)
そうやって、国家全体をコントロールしようとする。

スガ氏はとんでもないことをやってます。
国民が駄目だと強く言わなければ、この先どこまで進んで行くんだか。

過去に、そうやって国家をコントロール下に置こうとした人たちの末路も、歴史に刻まれています。
疑心暗鬼になった者たちのこと、失脚した者たちのこと、死後も非難され続ける者たちのことを、スガさんは知らないんでしょうか。
スガさん、あなたは、自分もその列に加わる気ですか。死後も非難され続けたい?


今の日本の状況は、ナチス政権と似てきたと思いながら、私の頭に浮かんだのは、
加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』です。
日本の軍部は、嫌がる国民を無理やり戦争に引っ張ったのではないのです。国民が軍部を支持し、国民が、戦争への道を選んだのです。
また選ぶんですか。


戦前の日本では、学術的な研究が反国家的として排除されました。
たとえば、美濃部達吉、滝川幸辰、大内兵衛、津田左右吉、矢内原忠雄・・・・といった、当時の日本を代表するような先生方が追放されました。

追放された学者らは戦後に名誉を回復し、指導者となったり、門下生らが大活躍したりしています。

追放した側はどうなったのか。
失脚です。

ほんとうに、スガさん、あなたも追放した側の列に加わりたいのですか。
あなたはもう疑心暗鬼になっておいでのようだが、いずれは失脚し、死後も非難され続け、やがては歴史の教科書にも不名誉な名を残すことになるかもしれませんよ。

(伊藤一滴)


(※)首相は学術会議任命拒否の理由を言いません。言えないのです。
「共謀罪、安保法、辺野古埋め立てなどに反対したから任命しません」と、言えないのです。
総合的・俯瞰的だの多様性が大事だのとあとから作った「理由」を並べても、理由になっていません。総合的でもないし俯瞰的でもないし、だいたい、専門の研究者を総合的・俯瞰的に判断する能力がスガ氏や氏の取り巻きたちにあるとは思えません。
多様性が大事だと言うならなぜ人文系を狙って排除するんですか。任命を拒否された研究者には女性もおられるし(『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』の加藤陽子氏です)、その大学から選ばれるのは稀という方もおられます。かえって多様性に反するようなことをして、よく言うよ。本当に多様性が大事なら、政府の方針に異議を唱える人こそ大事にすべきでしょう。こんな矛盾に黙っていたら、日本はどこに向かって進んで行くんだか。

追記:首相がやっと所信表明演説をやったと思ったら、何箇所も読み間違えた。つまり、自分で書いていない、官僚の作文を読んだだけだから間違える。自分が間違えたのに、速記録を後から書き換えさせるって、すごいな、この人は。公的な発言を正確に記録して未来に残そうという気持ちがまるでないようだ。
安倍内閣もそうだけれど、スガ内閣の公文書は、後の歴史家にとって「信頼できない文書」になるのだろう。「当時の公文書にこう書いてあるが、それが歴史の事実かどうかはわからない」って。

追記2:スガさんは心の中で「やりすぎた、しまった」と思っているのかもしれません。
でももう引き返せなくなってしまいました。
自分が埋めた地雷を自分が踏んでしまったようです。でももう地雷原を突破するしかない。突っ切れば、そのうち国民も忘れるだろう、ってとこかな。国民は忘れっぽいから、モリ・カケ・サクラも忘れてくれたから(忘れてないけど)、またすぐ忘れてくれるだろうと、なめられてますね。
もっと早い段階で「事務的なミスで一部の方のお名前が抜けていました。たいへん失礼いたしました」とでも言っておけば傷口を広げずに済んだのに。あとから作った理由など、言えば言うほど傷が広がるだけですよ。

追記3:任命された学者の中に、共謀罪や安保法などに反対した学者が何名もおられるそうです。
「政府の方針を批判したのが任命拒否の理由ではない」というのではなくて、
おそらくスガ政権の情報収集能力(諜報能力)が低すぎて、反対した学者を何名も見逃してしまったということなのでしょう。特に、人文系以外の学者にまで手が回らなかったというのが真相だろうと思います。

追記3その2:深読みすれば、次のような可能性もあります。
「どういう主張をした人にどういう制裁を課すか、そこに一貫性があれば手の内を読まれてしまう。手の内を読まれないように、批判意見を述べた学者の中から一部の人を排除し、誰が排除されるのか分からないという不気味さを演出したのではないか。学者の側も排除の法則性がつかめず、恐怖心が増すのではないか。そうやって批判意見を封じるのではないか。」という可能性です。
もし、スガ氏がそこまで考えていたなら恐ろしい支配能力です。
でも、スガ氏の答弁を聞いていると、あとづけの支離滅裂な屁理屈ばかりで、綿密な作戦で一部の人を排除したとは思えません。もし綿密な作戦で法則性をつかめないようにしたのなら、あとから追求されたときにどう答弁するのかも綿密に計画していたでしょうに・・・・。私は、単に、杉田氏が使った公立探偵らの情報収集能力(諜報能力)の水準が低すぎて、批判した学者を何人も見逃したというのが真相ではないのかと思います。

追記4:滝川事件や天皇機関説事件などが日本史の教科書に載っているように、菅(スガ)内閣の日本学術会議任命拒否事件として後の教科書に載る日が来るかもしれません。

任命拒否は杉田和博氏の関与か 前川喜平氏の見解

ヤフーニュースにあった「デイリー」の記事から引用します。


引用開始

前川喜平氏 9日の投稿で杉田和博内閣官房副長官の関与指摘…学術会議候補6人拒否
10/13(火) 21:22配信

 前川喜平元文部科学事務次官が9日の投稿で、日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題について、「おそらくこんな経緯」として杉田和博内閣官房副長官の名前を指摘していた。

 前川氏は「おそらくこんな経緯:学術会議から推薦者名簿が内閣府に届いた→内閣府が杉田官房副長官に名簿を説明→杉田副長官が全員の身辺調査を内調に指示→身辺調査の結果を携えて杉田副長官が菅首相・加藤官房長官と相談→菅首相が6人の排除を決定→6人を除いて起案するよう杉田副長官から内閣府に指示」と分析した。

 前川氏は13日の投稿で「途中経過はどうであれ、学術会議が6人を任命しなかった責任はひとえに菅首相にある。責任追及の標的は菅首相ひとりだ」と指摘した。

引用終了


引用開始

前川喜平氏 杉田官房副長官から差し替え求められた…「政府方針に批判的人物は…」
10/17(土) 21:06配信

前川喜平元文部科学事務次官が17日、TBS系「報道特集」に出演し、自身も学術会議と同様のことがあったと振り返った。

 2016年8月。文化功労者選考分科会の委員を選任する際に、前川氏は文科大臣の了解を得た候補者名簿を杉田和博官房副長官に提出した。すると1週間後に杉田氏から官邸に呼び出されたという。

 前川氏は「この人とこの人は、はずしなさいと具体的な名前を言われた」と杉田氏から候補者2人の差し替えを求められたと述べた。

 前川氏は、杉田氏の言葉として「これまで政府の方針に批判的なことを言ってる人物じゃないか。こういう人物をいれてはいかん」と言われたという。また、「こういう人が入らないように初めからチェックして持ってこいと、お叱りを受けた」とも語った。

 前川氏は「こんなところまでチェックするのかと思いました」と振り返った。

引用終了


かつて杉田氏やスガ氏からずいぶんひどいことを言われた前川氏、今回2人に一矢報いたようですね。
私は、前川氏の主張は筋が通っていると思います。こういう良識ある公務員幹部を追い出した人たちは罪深い。
あとは世論です。世論が問題視しなければ、権力は平気な顔をし続けることでしょう。

(伊藤一滴)

日本学術会議の会員任命拒否 船田元氏の見解

自民党の衆議院議員である船田元(ふなだ・はじめ)氏が、日本学術会議の会員任命拒否についてこう書いておられます。

そのまま引用します。


引用開始

日本学術会議の会員任命拒否について

 この度の日本学術会議の会員交代において、学術会議が推薦した候補105名のうち、6名が菅総理大臣により任命されなかった。これは1983年に公選制から任命制になって初めての異例な事態である。6名に共通することは、安倍内閣として進めようとしていた組織犯罪処罰法や平和安全法制、特定秘密保護法など、国の重要政策に反対の意思表示を行なったことだ。任命拒否の背景が透けて見える。

 1983年に会員の公選制から任命制に変更した際は、私も衆議院文教委員として審議に携わり、委員会での強行採決にも出くわした。変更の理由は「選挙に出る科学者が減少した」とか「選挙において不適切な行為が見られた」と記憶している。当時答弁に立った丹羽兵助・総理府総務長官や高岡完治・内閣官房参事官も、「学会の方から推薦していただいた者は拒否しない」「推薦者は拒否しない形だけの推薦制」「形式的な任命制」と口を揃えていたことを覚えている。この時の答弁が、直近まで有権解釈として政府が受け継いできたはずだ。

 しかしなぜ今回のような任命拒否が行われたのか。 加藤官房長官の発言などからすると、最近任命制のあり方について内閣法制局と内閣府が詰めの議論を行い、「学会の推薦を拒否しない」との解釈から、「学会の推薦の中から任命する」「法律上は推薦された人の中から選ぶことができる」という解釈の「確定」をしたという。しかし過去の経緯からして、これは明らかに解釈の「変更」であり、事前に国会や与党に周知すべきだが、我々には何も知らせず、結果として闇討ちのような形になってしまったのは残念だ。

 今後も時の政府の方針に反対したことを理由として、一部の被推薦者を任命しないことを、政府は会員交代の度ごとに続けていくのだろうか。反対しない会員で固めようとするのは「百年河清を待つ」に等しいが、むしろ「反対するとこういうことになる」と、抑止効果を狙ったものとしか思えない。

 日本学術会議は「学者の国会」であり、政府(内閣府)の一機関ではあるが、政府からは独立した合議体である。政府の諮問に応じて答申を出すほか、会議の総意により政府に意見具申することができる。アカデミアの意見を具体的に率直に表現するためには、「独立」していることが極めて重要である。野党やマスコミの一部には憲法23条が保障する「学問の自由」を侵害するとの論調があるが、任命拒否が自由を侵害するというのはやや大袈裟であって、組織としての独立を保たれるか否かが問題なのである。

 そもそも学問の各分野から210名もの学者が集まり、合議体として運営されるからには、少数の急進的な意見や特定の意見に引っ張られて、バランスを欠いた提言や答申になることは考えにくい。政府に反対する学者を意図的に排除するのではなく、学術会議内部での議論の淘汰と世論の形成過程に信頼を置くという精神的な余裕を、現政府は持つべきなのではないか。

[ 2020.10.03 ]

引用終了

出典
http://www.funada.org/funadapress/2020/10/03/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%ad%a6%e8%a1%93%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e3%81%ae%e4%bc%9a%e5%93%a1%e4%bb%bb%e5%91%bd%e6%8b%92%e5%90%a6%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/


よくお書きになった。
自民党の現職の国会議員ですからね。

「野党やマスコミの一部には憲法23条が保障する「学問の自由」を侵害するとの論調があるが、任命拒否が自由を侵害するというのはやや大袈裟であって、」という箇所を除き、他は全面賛成です。

これがすぐに学問の自由を侵害するわけではなくとも、これが一里塚となって、やがては、国立大学学長の任命拒否とか、公立の諸学校への介入、助成金を受けている私学への介入などへ進んで行く可能性だってあるのです。
すぐそうならなくても、今だって、学者を委縮させ、教育関係者を委縮させ、政権への忖度を促す効果は十分すぎるくらいあるでしょう。

学問の自由を侵害することにつながるこの一里塚を許してはならないのです。


自民党には、学者出身の人や法律の専門家だっておられるだろうに、今回の任命拒否はおかしいとは思わないのですか?
なぜ黙っているのですか?
なぜ船田さんに同調しない?

忖度?
干されるのが怖い?

強そうな側に逆らわず、ついていくだけの議員なのですか? 法律を素直に読み、これまでの政府答弁もふまえて常識的に考えれば、これはおかしいと気づくはずなのに、どうして「おかしい」と言わないのですか? なぜ「カラスは白い」みたいな見解に同調するのです? 
それで専門家として、政治家としての矜持はどこにあるのですか?

それと、公明党さん。戦前の日本で、公権力が学問や宗教に介入し弾圧した歴史を知らないとは言わせません。創価学会初代会長だって弾圧されて獄死しているのです。
あなた方公明党は、学者に圧力をかけようとする自民党といつまで連立を組み続けるのですか? 学者への圧力を放置するなら、次に来るのは宗教への介入かもしれませんよ。

(伊藤一滴)

参照

この問題が世界からどう見られているのかは、こちら

「一般紙から科学専門誌まで、海外メディアが報じた「日本学術会議拒否問題」。菅政権の所業はファシズムの一丁目一番地」

https://news.yahoo.co.jp/articles/7b4a053bc12f2efa50b2b2fdb4ae4fccaf885dc2?page=1


一部の政治家やマスコミが流しているデマや話のすり替えについてはこちら

「「日本学術会議任命拒否問題」、たった一つの論点。これさえ読めばデマや論点そらしには惑わされない」

https://news.yahoo.co.jp/articles/f9880045d3e11164c57fda6f3686f1cfaf69004a

学術会議任命拒否 スガ首相は神様になったのか

以前、ある学者(新約学)の博士論文を読ませていただいたことがありますが、最初から最後まで読むだけでも大変でした。
一人の学者の若いときの一つの論文を読むだけでもけっこう大変です。

まして実績ある学者を「総合的、俯瞰的な観点から」判断しようとするなら、最低でもその学者の主要な論文は(外国語で書かれたものも含めて)精読する必要があるでしょう。

百名を越える学者を限られた時間内に「総合的、俯瞰的な観点から」判断できる人がこの世の中にいるのでしょうか。神様じゃあるまいし。

どうもスガ首相は、神様のような能力をお持ちのようです。

しかもこのスガさん、日本学術会議が提出した105人全員の推薦者リストを見ていないとおっしゃる。見た時点で既に99人になっていたと。

学者の名前すら見ないで判断ができるとは、やっぱりスガさんは神様か。

任命を拒否された6名の学者は研究分野もそれぞれで、唯一の共通点は、安倍政権の政策を批判したことだけです。
「総合的、俯瞰的な観点から」、共謀罪や安保法や辺野古埋め立てを批判した学者を名簿から削ったのは誰ですか?(※)

論点ずらしが始まりました。
日本学術会議のあり方を見直すのだそうです。
そうきたか。

ごまかさないで、堂々と、「共謀罪や安保法や辺野古埋め立てなどを批判した学者は任命しない」と言ったらどうですか。「学者はみな、政権の意向に従い、御用学者になれ」と。

(伊藤一滴)

※後から知ったのですが、杉田和博官房副長官が関与したという報道が相次いでいます。

人はなぜ毒親になってしまうのだろう

人はなぜ毒親になってしまうのだろうと、毒親になる原因について考えているときに出会ったのがこれです。

水島広子『「毒親」の正体 精神科医の診察室から』(新潮新書) ※1

著者の水島広子氏は精神科医です。

著者は、「毒親を作る精神医学的事情」として4つに整理しています。

事情1 発達障害タイプ(ASDとADHD)
事情2 不安定な愛着スタイル
事情3 うつ病などの臨床的疾患
事情4 DVなどの環境問題

著者によれば、臨床の現場において一番多いのは事情1の「発達障害」だそうです。
事情2の「不安定な愛着スタイル」というのは、親自身が愛情不足で育っており、子育てに悪影響を及ぼす例だそうです。

上の4つは、それこそ順列組み合わせのように重複もするのでしょう。

私のこれまでの経験から考えても(※2)、発達障害を持つ人の場合だと、今この状況で相手にこうしたりこう言ったりすれば相手はどんな気持ちになるのかという想像がうまく働かず、場の状況にそぐわないことをしたり言ったりすることがあります。非難されるとパニックになって、1つのことで頭が一杯になり、大声をあげたり物を壊したりする人もいます。
世にはさまざまな障害を持ちながら、誠実に生きている方々が多数おられます。普段はとても真面目であったり、ある分野に抜群の能力を発揮したりする方もおられます。発達障害を持つから駄目だというのではありません。一概にどうこうは言えません。ただ、発達障害は、肢体の障害とは違って外見ではわかりませんから、これまで発達障害があると気づいてもらえず、適切なケアを受けられなかった人も相当数いることでしょう。発達障害を持ちながらまわりの理解を得られずに生きてきた人の中に、毒親化する人もいる、ということなのでしょう。

上の4つの事情はどれも、毒親になってしまった本人の側の落ち度とは言えませんし、本人に悪意もないのでしょう。
事情1は、生まれながら持つ障害によるのであり、そう生まれたのは本人の落ち度ではありません。ASDやADHDの人がみな毒親になるわけではありませんから、毒親化は、発達障害者が無理解にさらされ不適切な扱いを受け続けた結果なのかもしれません。
事情2は、毒親となったその人自身が愛情不足で育っていて、その人も被害者です。
事情3は病気ですし、事情4だって、その人は被害者です。
上記の事情は、どれも、毒親になったその人の責任とは言えません。

本人が悪くないのに毒親になってしまい、毒親は子どもに日常的に悪影響を与え続け、しかも、被害者の話によれば、被害は深刻で長期間に及んでいます。
落ち度も悪意もない親なのに、改まらない親の場合は、子どもは親から離れる以外に被害から逃れるすべがないというのは、どうも腑に落ちないと言うか、やりきれない思いになるのですが、やむを得ないのでしょう。被害を受けている子が親から離れても生活が成り立つのであれば。

子が未成年の場合は、どうしたらよいのでしょう。
身体的な虐待を受けているならともかく、たとえば小中学生が「うちの親は毒親です」と警察署に逃げ込んで、助けてもらえるのでしょうか。その子には傷もなく、体格も血色も良く、身なりもきれいで、親が虐待を否定したら。「すみませんねえ、うちの子ったら、ちょっと叱っただけでおまわりさんにご迷惑をかけてしまって」みたいな、外づらの良い親だったら。けれども本当は深刻な毒親だったら。

どうすることが最もよいのでしょう。

たとえ子が成人していたとしても、親から離れた後、どうすればよいのでしょう。毒親に育てられたその人は社会的な常識を大きく欠いている場合もあるのです。そのため、たとえどこかに勤務しても、職場でとんちんかんな対応をしてしまうかもしれません。これも、宗教の原理主義者やカルトに育てられた子と似ています。その人はどこでどうやって社会の常識を身に付け、どうやって暮らしていったらいいのでしょう。

今のところ、答えが見えません。皆が皆、理解者に恵まれるわけでもないですし・・・・。

毒親の被害者だけでなく、毒親も気の毒に思えるのですが、どうすれば親に目を覚ましてもらえるのか、それも今の私にはわかりません。
(原理主義者やカルトにも目を覚ましてもらいたいのですが、善意で彼らの矛盾点を指摘しても、真っ赤になって怒りをぶつけてくるだけです。似ています。)
専門家でないと、対応は難しいのでしょう。おそらく、専門家でも、難しいだろうと思います。

(伊藤一滴)


※1:私は新潮社の本は基本的に買わないことにしているので、古書です。古書であれば、買っても出版社の利益になりませんから。新品を買わない理由は、新潮社の雑誌の記事にあまりにも酷いものが多数あり、私の許容限度を越えているからです。抗議の不買です。売れればいいと雑誌に下劣な記事を書き続ければ、自社の良書も売れなくなることを出版社は知ったほうがいいと思います。

※2:伊藤一滴は社会福祉学部出身です。これまで、さまざまな障害を持つ方々と接してきました。

史上最悪のスカ内閣か

「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。」(日本国憲法 第6条 第1項)

天皇の任命権と言われていますが、形だけの任命権です。天皇陛下は任命を拒否したりなさいません。
ありえない仮定ですが、もし、陛下が任命を拒否なさったら、どうなるのでしょう。
「私は菅義偉さんを内閣総理大臣に任命するのを拒否します。理由は申し上げられません。法に従ってそうしたのです」なんておっしゃったら・・・・。

そんなことが頭に浮かびました。


日本学術会議の会員は、学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命すると法律で定められています。憲法6条とよく似ており、常識的に考えれば、形だけの任命権です。過去の答弁でも形式上の任命権とされています。


形だけの任命権を本当の任命権にすり替えてしまうのか、そんな手を使うのか!
そうきたか!

共謀罪や安保法に批判的な学者は任命しない、そうきたか。

仮に、本当に任命権があると解釈を変えるなら、解釈変更の手続きを踏んで公表する必要があるだろうし、どういう理由で任命するのかしないのかも明らかにする必要があるだろう。だのに、それもしない。任命をうやむやに、ブラックボックスにしてしまった。そうきたか。

絶句。

以前なら、内閣法制局が、「それは法解釈として成り立ちません」と言ったろうに、安倍政権が人事の慣行を無視してイエスマンの法制局にしてしまったためにブレーキが外れています。内閣が、どんな無理な法解釈をしても、それを是認する機関に成り下がってしまっています。


安倍晋三さんもそうだけれど、菅義偉さん、あなたは法治国家で決してやってはいけないことをしてしまったのです。
あなたは天皇陛下から「私は菅義偉さんを内閣総理大臣に任命するのを拒否します。理由は申し上げられません。法に従ってそうしたのです」と言われても何も言えない、あなたもそうしたのだから。

あなたは秋田の大規模なイチゴ農家のご出身だそうで、お父さんは町議会議員を何期もつとめた町の有力者だったとか。お母さんは教員をしていた人で、2人の姉も国立大学に進み教員になったとか。弟は慶応義塾大学に進み、後に複数の企業を経営する実業家になったとか。あなた自身は上京し、短期間段ボール工場で働いたりもしたけれど、法政大学(昼間)に進み、親から仕送りを受けての学生生活だったとか。およそ、地方の貧しい農家とも、苦学した夜間学生とも、庶民派とも無縁です。「秋田県の貧しい農家に生まれ、集団就職で上京し、働きながら法政大学の夜間部を卒業した苦労人」といった嘘の伝説を作り、流したのは一体誰ですか、あなた自身ですか、広告代理店ですか、御用記者ですか。あなたの生い立ちはマスコミが取材すればすぐわかることなのに、今のマスコミに力はないと甘く見ているのですか。あなたの名前は「義偉」ですが、あなたはまったく「義」や「偉」とは正反対です。

安倍内閣が史上最悪かと思ったら、さらに上を行く内閣ができてしまったようです。
これは、とんでもないスカ内閣、あるいは、いつ爆発するかわからないガス内閣かもしれません。


もう、憲法改正も必要ありません。
内閣が、どんな無理な法解釈をしても、イエスマンの内閣法制局と忖度官僚たちが認めてくれます。むしろ率先して無理な法解釈の屁理屈を考えてくれることでしょう。
どんな無理な法律だって、自公政権の力で成立させることができます。
自信を失くした国民は、勢いよく見える側にすがりたいようで、国民もついて来ます。

憲法改正などしなくても、核武装も、敵地攻撃も、先制攻撃も、徴兵制も、何でもできます。
批判する学者も官僚も裁判官も全部追放すればよいのです。

もう法治はぐちゃぐちゃになって、この先はカオスか独裁か、という感じです。

国民は、いったい何を選び、どこに向かって行きたいのでしょう。

(伊藤一滴)

毒親

今年(2020年)9月、朝日新聞の be に「毒親」についての連載がありました。
読んでいて、私がこれまで見聞きした「問題のある親」たちと似てると思えて、ネットで「毒親」を検索したら、やはり私が見聞きしたこととよく似ています。

「毒親」で検索すると、体験談がたくさん載っています。漫画版もあります。中には、かなり壮絶な体験もあります。


ネットにはいろいろな記事がありますが、毒親に育てられたというAnnaさんという方のホームページに毒親の特徴が簡潔に書いてあり、わかりやすいので引用します。
Annaさんによると、毒親に共通してみられるのが以下の4つの特徴だといいます。
出典:https://yuru-kui.com/parents-standard


引用開始

 自分の人生に責任を持っていない
 子供を傷つけても謝らない
 子供の人格を否定する
 子供の気持ちや行動をコントロールしようとする

1つでもあてはまり、なおかつ、それが1~2回ではなく常にあることなら、毒親である可能性は高いと思います。(原文は、「1つでも~可能性は高い」にアンダーライン 引用者) 

自分がもし親との関係に悩まされているのであれば、まずは、自分の親が毒親だということを認識するところから始めないと、苦しみの解決策がわからず、いつまでも苦しいままです。

引用終了


毒親は自分の人生に責任を持っていないから、一時の思いつきで子どもに何かを言うことが多く、矛盾することを平気で言ったりします。また、自分ができなかったこと(名門校への進学、ピアノの上達、語学の上達等)を代わりに子どもにやらせようとして、それが子どもの幸せだと思い込んだりします。子どもが評価されれば自分も鼻が高いのでしょうが、子どもがうんと高く評価されて賞をもらったりすると、それに嫉妬して嫌なことを言ったりもします。言動に一貫性がありません。自分の発言や行動で何か問題が起きても、みな人のせいにして、責任を取ろうともしません。子どもが頑張って何か始めようとするとき、やる気をなくすようなことを言って邪魔をします。子どもはふりまわされて、ひどい目にあいます。子どもによっては、どうすれば親の機嫌を損ねないのか先回りして親が気に入る子を演じ、いわゆるアダルトチルドレンになったりもします。でも、親に一貫性がないと、先回りするのも難しく、子どもは神経をすり減らしてゆきます。

毒親の親も毒親だったという負の連鎖が多いようです。虐待されて育った子が親になり、自分の子を虐待するのと似ています。

毒親のもとで育ったと思われる50代の人から聞いた話ですが、自分が親になって子育てするときに、ある状況で、どうすべきか、自分自身の経験が参考にならずに困ったとのことでした。自分自身、親から適切な対応をしてもらっていないので、何が適切な対応なのか判断に迷ったというのです。子どもがある程度成長してからは、子どもについ不適切なことを言ってしまうのにも困ったそうです。親から言われて嫌だったことは自分の子どもには言わないようにしようと頭で思っていても、自分が言われ続けてきたことがつい口から出てしまうというのです。

「あんたには無理だよ」
「そんな学校受けたって受からないだろう」(学校以外にも、資格試験、就職試験等)
「あんたは駄目だねえ、それに比べて〇〇君は偉いねえ」
「もしこれでうまくいかなかったらもう終わりだからね」
「あんたを産んでから大変になったんだよ、産まなけりゃよかった」

そんな言葉は決して子どもに言ってはいけないことだと頭では思いながら、ほとんど無意識に口から出てくるときがあるというのです。
親からずっと言われ続けて、刷り込まれてしまったのでしょう。

負の連鎖はどこかで断ち切らないと。

これは、原理主義者やカルト信者の親から育てられた子とも似ています。
原理主義者やカルト信者が親になると、子どもに自分たちなりの「信仰の真理」を刷り込んで、一種の毒親になり、その「信仰の真理」による育児は「信仰」という名の虐待となることがあるのです。ネット上にはそうした事例も多数載っています。健全な信仰が受け継がれてゆくのとは違い、原理主義やカルトの毒親には上の4つの特徴が当てはまります。


毒親に育てられた子は、親の常識的な判断や、社会通念や、親からああしてもらってよかったというモデルを知らずに育っています。
その子は大変な負の遺産を背負っています。そのことに、被害を受けた子の側には何ら落ち度はありません。
でも、たとえ被害者であっても、落ち度がなくても、本人が自覚を持って自分が育つ中で自分に生じてしまった歪みを修正していくしかないのでしょう。
自覚を持って自分の歪みを修正するのは大変だと思いますが、まわりに理解ある人がいれば協力してもらい、場合によっては専門家にも相談し、できるかぎりの努力をすべきです。自分が親と同じことを次の世代に繰り返さないために。負の連鎖を断ち切るために。


では、子どもの側が、毒親に自覚を促し、言動を改めてもらうことができるのでしょうか。残念ながら、これはほぼ不可能なようです。(また、子どもが親の歪みを修正しないといけない義務もありません。)
そもそも、人の意見を聞き、よく考えて、改めるべき点は改める人なら、毒親にはなりません。それができないから毒親であり続けるのです。


Annaさんは、こう言います。

引用開始

では、もし自分の親が毒親かもしれないとわかったら、どうしますか?

すぐに親から離れられる環境であれば、なるべく早く離れてしまうことをオススメします。

引用終了


また、精神科医の斎藤環氏も、「毒親に育てられた人が治療する上での注意点などは」という問いにこう答えています。

引用開始

トラウマというのは忘れられないし、傷は簡単には消せない。例外もあるかもしれませんが、ほとんどの場合、修復は無理です。潔くあきらめて関係性を希薄にする、親を捨てる方向で考えるのが一般的になると思います。言うほど簡単ではないので、夫でもパートナーでも協力が必要になります。カウンセリングを受けるのもよいです。親との関係を温存しておくと、抱えている問題からずっと逃れられない。きちんと捨てる作業をしたほうがいいです。

引用終了

出典:「毒親と関係修復は無理。きちんと捨てる作業を」精神科医・斎藤環さん
https://dot.asahi.com/wa/2020091700054.html?page=1


子どもの側が努力して親を変えるというのは、毒親に関しては、ほぼ不可能なようです。
子どもが小さいうちは、絶対的な力関係の差がありますし、子どもが成人してからだって、「子どもの側の努力で親を変えた、親は別人のように良くなった」などどいう話は、広い世の中全体ではゼロではないのかもしれませんが、私は聞いたことがありません。

親が明らかに毒親で、誰からどう言われても自分を改めようとしない人なら、距離を置き、最終的には関係を絶つしかないのでしょう。


毒親には救いはないのでしょうか。

私は、すべての人に、死の寸前まで、救いのチャンスはある、と思っています。
毒親といえど可能性はゼロではありません。人から言われても改めないかもしれませんが、どこかで、本人が気づいて、自覚を持って自分で自分の歪みを修正しようとすれば、自分を変える可能性はあると思います。高い可能性ではありませんが、ゼロではないと思います。

この問題は、もう少し考えてみます。

(伊藤一滴)